2025年10月の天文イベント:彗星が主役に登場
2025年10月は天文ファンにとって忘れられないひと月になりそうです。3つの壮大な彗星、今年最初のスーパームーン、明るい流星群、輝く惑星の接近など盛りだくさん。これだけ多くの天体イベントが起こる10月は、無料アプリSky Tonightがあれば、夜空の天体を簡単に追跡できます。ベテラン観測者でも初心者でも、10月は夜空を楽しむ絶好のチャンスです。それでは、この10月に見逃せない天文現象を紹介しましょう!
目次
- 2025年10月の天文カレンダー:今月の空で何が見える?
- 彗星ラッシュ!2025年10月は彗星観測のチャンス
- 2025年10月の月のイベント
- 2025年10月の惑星の見どころ
- 2025年10月におすすめの星座
- 2025年10月の流星群:7つの流星群に出会おう
- 10月4日〜10日:世界宇宙週間を祝って宇宙からのギフトを!
- まとめ:2025年10月の天文現象
2025年10月の天文カレンダー:今月の空で何が見える?
イベントの日付はGMT(グリニッジ標準時)で表示しています。地域によってタイムゾーンの違いにより日付や時間が異なる場合があります。正確な時間を知りたい場合はSky Tonightアプリをご利用ください。
- 10月2日: ケレス(等級7.6)の衝、水星(等級−0.5)とスピカ(等級1)の接近;
- 10月5日: カメロパルダリッド群流星群極大(ZHR=5);
- 10月6日: 土星(等級0.6)、海王星(等級7.8)が月に接近;
- 10月7日: スーパームーン 🌟;
- 10月8日: C/2025 K1 (ATLAS) が近日点通過 🌟; ドラコニド流星群極大(ZHR=5);
- 10月10日: 月とアルデバラン(等級0.8)が接近; プレアデス星団(等級1.6)の月による食; 天王星(等級5.6)が月に接近;
- 10月11日: デルタ・アウリガ群流星群極大(ZHR=2); 木星(等級−2.2)とポルックス(等級1.2)の接近;
- 10月13日: 南タウリド群流星群活動開始(ZHR=5); 木星(等級−2.2)が月に接近; ポルックス(等級1.2)が月に接近; 下弦の月;
- 10月14日: 月とプレセペ星団(等級3.1)の接近;
- 10月16日: レグルス(等級1.4)の月による食;
- 10月18日: エプシロン・ジェミニド流星群極大(ZHR=3);
- 10月19日: 水星(等級−0.2)と火星(等級1.4)の接近; 金星(等級−3.9)が月に接近;
- 10月20日: C/2025 R2 SWAN が地球最接近 🌟;
- 10月21日: オリオニド流星群極大(ZHR=20) 🌟; 新月; C/2025 A6 (Lemmon) が地球最接近 🌟;
- 10月23日: 水星(等級−0.2)と火星(等級1.4)が月に接近;
- 10月24日: レオニス・ミノリド流星群極大(ZHR=2); アンタレス(等級1.0)の月による食;
- 10月29日: 3I/ATLAS が近日点通過 🌟; 上弦の月; 水星(等級−0.1)最大東方離角(太陽から約24°) 🌟.
*🌟マークの付いたイベントは今月注目の天文現象です。
等級について:都市部の中程度の光害がある環境では、肉眼で見える恒星や惑星の限界等級はおおよそ4等までです。光学機器の限界等級はその仕様によって異なりますが、11等を超えることはほとんどありません。
彗星ラッシュ!2025年10月は彗星観測のチャンス

2025年10月は彗星観測家にとって夢のような月となり、3つの異なる彗星が話題をさらいます。
最初は**C/2025 K1 (ATLAS)**で、10月8日に近日点に到達します。太陽への接近を無事に乗り切れば、5.2等級に達する可能性があり、双眼鏡で観測できるようになります。北半球では明け方の空に見やすく、南半球では朝夕の両方で観測できます。
次に注目されるのはC/2025 R2 (SWAN)です。9月初旬に発見され、10月20日に地球へ最接近(0.26 AU)します。明るさは7等級で、暗い空の下では10月20日前後に肉眼で見える可能性があります。南半球からは特に好条件で見られ、北半球でも10月中旬から夕方の低空で確認できるでしょう。
最後に、C/2025 A6 (Lemmon)が月末に登場します。10月21日に地球から0.6 AUの距離を通過し、8等級程度に明るくなる見込みで、双眼鏡で観測可能です。さらに楽観的な予測では、11月8日の近日点にかけて3等級まで明るくなる可能性があり、肉眼で容易に確認できるかもしれません。
10月19日にはSWAN彗星とLemmon彗星が同じ空に同時に見え、約80°離れて並びます。ダブル彗星ショーをお見逃しなく!
詳しくはこちら: 今後の彗星
彗星を簡単に見つける方法
彗星は淡くぼんやりした姿で現れることが多いため、正確な位置を知ることが重要です。Sky Tonightアプリを使えば簡単に探せます。
- 画面下部の虫眼鏡アイコンをタップ。
- 彗星の名前または符号を検索バーに入力。
- 結果一覧で対象彗星の横にある青いターゲットアイコンをタップすると、その位置が表示されます。
- デバイスを空に向け、白い矢印に従って彗星を探してください。
さらに詳しく知りたい場合は、検索結果から彗星名をタップし、イベントタブを開きましょう。近日点や地球最接近など重要な日付が表示されます。イベントを選択すれば、さらに詳細な情報が得られます。

2025年10月の月のイベント
2025年10月の月の位相

- 満月: 10月7日 03:48 GMT
- 下弦の月: 10月13日 18:13 GMT
- 新月: 10月21日 12:25 GMT
- 上弦の月: 10月29日 16:21 GMT
便利な月のカレンダーで、どの日でも月の位相を確認できます。月の出・月の入り時間も正確にわかるので、観測計画に役立ちます。
また、Sky Tonightアプリの月カレンダーでは、月の位相、明るさ、位置などの詳細を確認できます。アプリを開いて画面下のカレンダーアイコンをタップし、「Moon」タブに進むだけ。カレンダーに表示される月の画像は、その日の実際の見え方を反映しています。

10月7日のハーベストフルムーン – 2025年最初のスーパームーン
10月7日 03:48 GMTに観測できるのは、ハーベストフルムーンであり、同時に2025年最初のスーパームーンです。
「ハーベストムーン」とは、秋分に最も近い満月のこと。北半球では通常9月ですが、数年ごとに10月になることがあります。2025年はその年で、直近では2020年以来、次は2028年です。南半球では通常3月か4月にあたり、次は2026年4月2日です。
今回の満月は月が地球に最も近い位置(近地点)にあるためスーパームーンとなります。平均の満月より約6.6%大きく、約13%明るく見えます。ただし肉眼ではその違いはわずかです。本当に月を大きく見たいなら、昇る時や沈む時に観察してみましょう。月の錯視のおかげで、空高く昇った時よりもずっと大きく見えます。
次のスーパームーンやマイクロムーンについて知りたいですか?こちらのインフォグラフィックで詳しく解説しています。

10月21日の新月 – オリオニド流星群&レモン彗星観測の好機
2025年10月21日 12:25 GMTの新月は、今月で最も暗い夜空をもたらします。明るい月明かりがないため、絶好の観測条件となります。この夜はオリオニド流星群が真夜中から明け方にかけて極大を迎え、1時間あたり最大20個の流星を観測できるでしょう。
さらに同じ夜、C/2025 A6 (Lemmon)彗星が0.6 AUまで地球に最接近します。北半球では、北西の地平線上、北斗七星付近の夕空で観測条件が良好です。予測では4等級まで明るくなる可能性があり、暗い場所なら肉眼でも見え、双眼鏡にも最適な対象となります。
2025年10月のフォトジェニックな月のイベント
10月は彗星や流星群だけでなく、月と明るい惑星や恒星との美しい接近も楽しめます。

10月19日 – 月と金星
10月19日 18:41 GMT、細い三日月(照明率3%)が金星(等級−3.9、乙女座)に3°48′まで接近します。その後21:00 GMTには合となり、4°00′の間隔になります。金星は肉眼でも容易に見つけられるほど明るく輝きますが、細い月はやや難しいため、明け方の薄明の空で挑戦する価値があります。
10月23日 – 月、水星、火星
10月19日頃から、水星(等級−0.2)と火星(等級1.4)が接近し、最小で2°07′まで近づきます。10月23日には三日月が加わり、3天体の共演が見られます。南西の地平線近くで日没後、てんびん座の中に月、水星、火星を探してみましょう。低空なので視界の開けた場所が必要です。
10月24–25日 – 月とアンタレス(月による食を伴う)
10月24–25日の夜、照明率11%の月がアンタレス(等級1.0、さそり座の赤い心臓部)に非常に接近します。最接近は10月25日 00:46 GMTで、その距離はわずか0°30′。
さらにアルゼンチン南部、チリ、フォークランド諸島では、アンタレスが月に隠され再び現れる月食(掩蔽)が観測されます。この現象は10月24日 22:45 GMTから10月25日 00:46 GMTにかけて起こります。それ以外の地域でも、双眼鏡や望遠レンズで楽しめる美しい光景となるでしょう。
詳しくはこちら: 今夜月のそばにある惑星は?
2025年10月の惑星の見どころ
北半球で見える惑星 – 2025年10月
水星(おとめ座、てんびん座、さそり座): 月の大半は太陽光に隠れて観測困難。10月下旬になると日没後の南西の地平線上にわずかに姿を現します。10月29日に最大東方離角を迎え、観測しやすくなります。明るさは−0.5等から−0.2等へわずかに暗くなります。
金星(しし座、おとめ座): 東の空に輝く明るい**「明けの明星」。明るさは−3.9等**で、日の出直前が最も見やすい時間帯です。
火星(おとめ座、てんびん座): 太陽に近すぎて観測困難。日没後30分ほど南西の低空にわずかに見える程度。明るさは1.6等から1.5等へわずかに暗くなります。
木星(ふたご座): 月初・中旬は真夜中以降に昇り、10月下旬には夜通し明け方まで見えます。明るさは−2.1等から−2.3等へ増し、肉眼でも望遠鏡でも観測しやすい絶好の対象です。
土星(うお座、みずがめ座付近): 9月の衝を過ぎ、依然観測に好条件。夕方から夜半まで見られ、0.7等から0.9等で安定した光を放ちます。夜が長くなるこの時期は観測に最適です。
天王星(おうし座): 夕方に昇り、10月下旬には一晩中観測可能。肉眼では見えませんが、双眼鏡や望遠鏡なら5.6等の光点を簡単に確認できます。
海王星(うお座): 夕方から夜に観測可能。7.8等で、双眼鏡や望遠鏡が必要です。

南半球で見える惑星 – 2025年10月
水星(おとめ座、てんびん座): 日没直後、西の地平線上低くに短時間出現。10月29日の最大東方離角の頃が観測好機。−0.4等で輝きますが、地平線が開けた場所でなければ観測は難しいです。
金星(しし座、おとめ座): 明け方、東の地平線近くに明けの明星として出現。−3.9等でまばゆく輝きます。
火星(てんびん座): 夕方、西の低空に1.5等でわずかに輝きます。目立たないものの、双眼鏡で確認できます。
木星(ふたご座): 明け方前の北の空に輝き、−2.0等と明るく安定。初心者にも探しやすい惑星です。
土星(うお座、みずがめ座付近): 9月の衝を過ぎて依然良好な条件。夕方から夜に観測でき、0.6等から0.7等で輝きます。
天王星(おうし座): 夕方に昇り、夜遅くから早朝にかけて見られます。肉眼では見えませんが、双眼鏡や望遠鏡で5.6等を確認可能。
海王星(うお座): 夕方から夜空に7.8等で輝き、観測には双眼鏡や望遠鏡が必要です。

10月29日 – 水星の最大東方離角
10月29日 21:59 GMT、水星は最大東方離角を迎え、太陽から23°54′離れて見えます。通常は太陽光に隠れてしまう水星ですが、この時期は観測の絶好機です。明るさは−0.1等で、日没後にてんびん座で観測できます。
ただし、すべての離角が同じ条件というわけではありません。今回の離角は南半球に有利で、水星は地平線上により高く現れます。北半球では低く見えるため、西の地平線が開けた場所が必要です。
詳しくはこちら: 天文学における離角とは?
おまけ: 10月2日 – 準惑星ケレスが最も明るく見える日
10月2日 13:12 GMT、準惑星ケレスが衝を迎え、今年最も観測しやすいタイミングとなります。衝ではケレスが最も明るくなりますが、肉眼では見えません。ケレスは太陽系で最小の準惑星ですが、地球に最も近いため、冥王星やエリスと違って比較的簡単に観測できます。
衝の間、ケレスはくじら座に位置し、夜の大部分で観測可能。真夜中ごろに最も高く昇ります。明るさは7.5等で、8x40や10x50の双眼鏡で見ることができます。天文ファンにとっては貴重な観測対象となるでしょう。
観測できれば、準惑星を見つけた特別な体験になります。お見逃しなく!
詳しくはこちら: 天文学における衝とは?
2025年10月におすすめの星座
10月の夜は多彩な星座が楽しめます。北半球では、黄道星座のうお座、みずがめ座、やぎ座を探してみましょう。頭上にはペガスス座があり、そこからアンドロメダ座へ、近くにはケフェウス座も見えます。さらに、夏の大三角(はくちょう座、こと座、わし座)の最後の姿も楽しめます。
南半球では、黄道星座のうお座、みずがめ座、やぎ座、いて座が夜空を彩ります。さらに、巨大な海獣のくじら座も加わります。南半球の観測者は、北では見られない星座も楽しめます。優美なつる座、南天極付近の淡いおくびつ座、そして明るい恒星フォーマルハウトを擁するみなみのうお座などです。

詳しくはこちら: 10月の星座
2025年10月の流星群:7つの流星群に出会おう
10月には、7つの流星群が極大を迎えます。
月初はカメロパルダリッド群流星群(ZHR=5)が10月5日に極大を迎えますが、明るい月明かりにより多くの流星はかき消されてしまいます。
続いてドラコニド流星群(ZHR=5)が10月8日に極大を迎えます。満月に近いため観測条件は悪いものの、この流星群は突発的な出現で有名です。一部の予報では15:00〜16:00 GMTの間に1時間あたり100〜150個に達する可能性があるとされています。北半球の東経40°以東で特に観測好機です。
10月11日にはデルタ・アウリガ群流星群が極大を迎えますが、出現数は1時間あたりわずか2個で、月明かりの影響を受けます。
より見応えがあるのは10月13日の南タウリド群流星群。半月の明かりの下でも、両半球で1時間あたり約5個を観測できます。
10月18日のエプシロン・ジェミニド群流星群は暗い空に恵まれ、極大時に1時間あたり約3個が観測可能。特に北半球で条件が良いです。
最大の見どころはオリオニド流星群。新月の夜である10月21日に極大を迎え、月明かりの影響がなく観測条件は最高。両半球で1時間あたり最大20個の明るく速い流星を楽しめます。オリオニドは尾を引く発光痕でも知られています。
最後に10月24日のレオニス・ミノリド群流星群。出現数は1時間あたり2個と少ないものの、月明かりのない空で挑戦する価値があります。特に北半球で観測に適しています。
詳しくはこちら: 10月の流星群
10月4日〜10日:世界宇宙週間を祝って宇宙からのギフトを!
10月は宇宙ファンにとって特別な月です!毎年10月4日から10日まで、世界中で**世界宇宙週間(World Space Week)**が開催され、宇宙科学と技術に関する世界最大の国際イベントとなります。2025年のテーマは「Living in Space(宇宙に住む)」で、人類が宇宙を第2の故郷とする夢を強調しています。
世界宇宙週間は未来を見据えるだけでなく、夜空を見上げる絶好のタイミングでもあります。オリオニド流星群を眺めたり、彗星を追ったり、月を観察したりと楽しみ方はさまざま。10月の星空をさらに楽しみたいなら、世界宇宙週間に関する記事をチェックしてください。特別な天文ギフトも用意されています!
詳しくはこちら: 世界宇宙週間 2025
まとめ:2025年10月の天文現象
2025年10月には、今年最初のスーパームーン、新月下で観測条件が最高のオリオニド流星群、水星の最大東方離角、そして複数の明るい彗星が観測できます。さらに、月と惑星・恒星の接近、秋の星座、魅力的なディープスカイ天体など、見どころ満載です。無料アプリSky Tonightを使えば、すべての天体イベントを逃さず追跡できます!