2025年6月に見逃せない天体イベント:夏至、ストロベリームーン、金星最盛期など

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2025年6月の夜空には何が見える?答えは…すべてです!輝く金星から日中にひそかに飛ぶ流星、そして月と惑星の宇宙的な出会いまで。地球にも主役が回ってきます—6月の至点をお祝いしましょう。見逃せない瞬間ばかり!無料の天文アプリSky Tonightを手に入れて、今夜空で何が起こっているか、あなたの場所に合わせた正確な時刻をチェックしましょう。詳細な観察ガイドは以下をご覧ください。

目次

2025年6月の星空

イベントの日付はGMT(グリニッジ標準時)で提供されているため、タイムゾーンによって日付が異なる場合があります。あなたの場所からイベントがいつ正確に見えるかを知るには、Sky Tonightアプリを使用してください。

*強調されたイベントは、その月の中で最も重要なイベントです。

等級について: 都市部の適度な光害がある場合、肉眼で見える星や惑星の最も暗い等級は約4です。光学機器の限界等級はその仕様に依存しますが、通常は11を超えることはありません。

2025年6月の月とイベント

2025年6月の月の位相

Moon phases, June 2025
2025年6月の毎日、北半球と南半球での月の見え方を紹介します。詳細な月の位相を知りたい方は、インタラクティブな月齢カレンダーでチェックしてみましょう。
  • 上弦の月:6月3日、日本時間12:41(03:41 GMT)
  • 満月:6月11日、日本時間16:44(07:44 GMT)
  • 下弦の月:6月19日、日本時間04:19(6月18日19:19 GMT)
  • 新月:6月25日、日本時間19:31(10:31 GMT)

6月11日:ストロベリームーン

この6月の満月は 6月11日、日本時間16:44(7:44 GMT)に起こります。北半球では18.6年ぶりにもっとも低い位置に昇る満月となり、地平線近くで橙色や金色に見え、月の錯視によって大きく見えることでしょう。一方、南半球では逆にもっとも高く昇る満月となり、高層ビルや樹木に遮られることなく観察しやすくなります。

「ストロベリームーン」(英語:Strawberry Moon)と呼ばれるのは、北米先住民の間でこの時期がイチゴの収穫開始にあたるためです。ヨーロッパでは「ローズムーン」と「ハニームーン」とも呼ばれ、夏の柔らかな宵の色合いや結婚式の季節を連想させます。

オレンジ色の満月
2025年6月の満月は、北半球では地平線近くにとどまるため、オレンジ色の輝きを帯び、大きく見える でしょう。しかし、スーパームーンではありません。スーパームーンとの違いについて詳しくはこちら

続きを読む:6月の満月

6月25日:星見のベストタイミングである新月

6月25日、日本時間 19:31(10:31 GMT)に新月を迎えます。この夜は月明かりがないため、深宇宙天体天の川の観察に最適です。満天の星空を存分にお楽しみください。

続きを読む:6月の深宇宙天体

6月29日〜30日:月による火星の掩蔽(赤い惑星が月の裏に消える瞬間)

6月29日22:57 GMTから6月30日03:35 GMTにかけて、月が火星の前を通過し、一時的に赤い惑星を隠す「月面掩蔽」が起こります。この珍しい現象はペルー西部、エクアドル、コロンビア西部、クリッパートン島で観察可能です。肉眼でも十分楽しめますが、望遠鏡があればさらに迫力ある光景を堪能できます!

月による火星の掩蔽
2022年12月の火星掩蔽をイーサン・チャペル氏が撮影した一枚。赤い惑星が月の裏に消えようとする瞬間を捉えています。

掩蔽が見られない地域でもご安心を!月と火星の合や接近は世界中で見られます。火星観察の準備をして、この楽しいクイズで赤い惑星の秘密を解き明かしましょう。

Mars Quiz Intro
わたしたちの子孫が火星に住むかもしれません。このクイズで人類の未来の住まいを探検しましょう!
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2025年6月の惑星

北半球で見える惑星(2025年6月)

水星(おうし座、ふたご座、かに座):夕暮れ後の北西の空に見えます。6月は夕方の空で最も高く昇り、月初の等級 −2.0から月末には等級 0.2までやや暗くなりますが、視認性はむしろ向上します。

金星(うお座、おひつじ座、おうし座):6月1日に西方最大離角を迎え、朝の観察シーズンが本格スタート。東の明け方の空で強く輝き、等級 −4.4から月末には等級 −4.2までわずかに暗くなりますが、薄明の中でもはっきり見えます。

火星(しし座):夕方の西低空で赤みを帯びて見えます。月初の等級1.3から月末には1.5にやや暗くなりますが、日没直後なら肉眼で確認可能です。

木星(おうし座、ふたご座):6月24日に太陽合となるため観察は困難です。肉眼等級は安定の−1.9ですが、夕暮れの西低空にとどまり、すぐに薄明に隠れてしまいます。

土星(うお座):夜明け前の東の空に昇りますが、地平線近くの低空で1時間未満しか見えません。等級は月初の1.1から月末に1.0へわずかに変化します。

天王星(おうし座):北東の明け方の空に戻ってきます。月末が観察の最適期で、等級5.7とやや暗く双眼鏡や望遠鏡が必要ですが、見える時間帯は徐々に延びていきます。

海王星(うお座):夜明けの東の薄明の中で等級 7.9で観察できます。中緯度の暗い場所では光学機器を使えば見られますが、北部では薄明や白夜に邪魔されやすく観察困難です。

2025年6月の惑星(北半球)
惑星の観察推奨時刻は見頃を反映。北半球は米国ニューヨークを基準に、月中旬の夜を想定しています。

南半球で見える惑星(2025年6月)

水星(おうし座、ふたご座、かに座):夕暮れ後の北西の空に現れ、6月中旬から月末が観察の好機です。沈むまでの時間は1時間未満で地平線近くに低くとどまり、視界が開けた場所でないと見つけにくいでしょう。等級は月初の−2.0から月末の0.2までやや暗くなりますが、見やすさはむしろ向上します。

金星(うお座、おひつじ座、おうし座):6月1日に西方最大離角を迎え、夜明け前の東北東の空で高く昇ります。薄明の中でもひときわ明るく、月初の−4.4から月末の−4.2までわずかに暗くなりますが、圧倒的な輝きを放ち続けます。

火星(しし座):夕方の空に見えますが、沈む時間が早まるため西の地平線が開けた場所でないと見つけにくくなります。等級は月初の1.3から月末に1.5へわずかに暗くなります。

木星(おうし座、ふたご座):肉眼等級の−1.9を保ちながらも、6月24日の太陽合に近づくため観察は難しくなります。6月上旬は夕暮れの北西の空に見えますが、すぐに薄明に紛れてしまいます。

土星(うお座):6月初めは夜明け前に昇りますが、6月中旬以降は夜でも見られるようになります。等級は月初の1.1から月末の1.0へわずかに変化します。

天王星(おうし座):北東の明け方の空に低く昇り、月末にかけて見える時間が徐々に延びます。等級5.7と暗いため、双眼鏡や望遠鏡が必要です。

海王星(うお座):明け方の東の薄明で等級7.9で見えます。地平線近くに低いため、暗い場所と光学機器があると観察しやすいでしょう。

2025年6月の惑星(南半球)
惑星の観察推奨時刻は見頃を反映。南半球はオーストラリア・シドニーを基準に、月中旬の夜を想定しています。

6月1日:金星の西方最大離角

6月1日金星が西方最大離角を迎え、夜明け前の空で太陽から約46°離れて輝きます。日の出前に昇り、等級–4.4の明るさで薄明でも容易に見つけられます。西方最大離角は金星観察に最適のタイミングです。東の地平線、うお座付近を探してみてください。肉眼でも十分明るく見えますが、望遠鏡があれば半月状の「二分」の位相も観察できます。

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6月29日:土星と海王星の接近(三重合の第一幕)

  • 接近時刻:6月29日08:20 GMT(日本時間17:20)
  • 接近距離:0°59′

6月29日、うお座で土星(等級1.0)と海王星(等級7.9)が同じ赤経上に並び、明け方の空で接近して見えます。土星は肉眼でも確認できますが、海王星はかなり暗いため双眼鏡や望遠鏡が必要です。

この接近は、これから数ヶ月にわたって起こる三重合第1幕にあたります。二つの惑星が再び近づくのは、それぞれの逆行運動が関係しています。海王星は7月5日に逆行を開始し、続いて土星は7月14日に逆行に入ります。この動きにより、再び接近が2025年8月6日2026年2月16日に起こります。天空で繰り広げられる二大惑星のダンスをお楽しみください!

続きを読む:惑星の合

2025年6月の星座

6月の北半球では、夜遅くに南東の地平線からさそり座へびつかい座など明るい星座が昇ってきます。てんびん座おとめ座しし座も日没後の南の空でよく見えます。からす座コップ座かみのけ座などは夕方の早い時間帯が観察に適しています。北半球の夏の宝石ともいえるはくちょう座は、夜が深まるにつれて北東の空で高く昇ります。

南半球では、さそり座へびつかい座いて座が夜の大半を通してよく見えます。6月は、いて座に位置する天の川銀河の中心部の観察に最適です。やぎ座は夕方遅くに東の地平線から昇り、てんびん座おとめ座は西の地平線に沈み始めます。また、わし座うしかい座かんむり座ヘルクレス座などは北〜北東の低空で見ることができます。

6月の星座
6月中旬頃、現地時刻22:00に見える中緯度の北半球・南半球の星空マップです。

続きを読む:6月の星座

2025年の夏至

日本時間6月21日11時42分(6月21日02:42 GMT)、夏至が行われます。この日、地球の北半球は太陽に最も近く傾き、一番長い昼と一番短い夜を経験することになります。夏至が、天文学的には夏の始まりの日となります。

Astronomical seasons
天文学的には、季節は至点分点のどちらかで始まります。

南半球はその逆で、太陽から最も遠い位置に傾くことになります。そこで人々は、1年で一番昼が短く、夜が長い冬至を体験することになるのです。そして、冬の始まりです。

ところで、夏至と春分の違いをご存知でしょうか?クイズに答えて、知識を試してみてください!

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2025年の流星群

6月に注目すべき流星群のピークが1つだけあります。それは、1年で最も強い昼間の流星群であるおひつじ座昼間流星群のピークです。6月7日にピークを迎え、1時間に最大30個の「流れ星」を観測します。おひつじ座昼間流星群の流星は夜明け前に見えるが、これを見るのは観測者にとって簡単なことではない。

この月には6月うしかい座流星群もピークを迎えますが、最大流星数は予測不可能です。通常、この流星群は1時間に1〜2個の流星を生み出すだけで、他の時期に観測される散発的な流星の発生率と大差ありません。

8月12日のペルセウス座流星群のような壮大な光景を待つ間、流星の見方を読んでみてください。

空に何が見えるか知るにはどうすればいい?

上空に何が見えているかを最も簡単に知る方法は、現在地の星空をリアルタイムで表示する天体観測アプリを使うことです。星図や天文書籍も役立ちますが、スマホを空に向けるだけで案内してくれる手軽さにはかないません。そこでおすすめなのが、無料のSky Tonightアプリです。本アプリを使えば、端末を空にかざすだけで星や惑星、星座、さらには人工衛星までも瞬時に確認できます。初心者にも直感的に使え、経験者向けの多彩な機能も備えています。詳細なイベントカレンダーや、現在地の観察条件を示す「スターゲイジング指数」、さらに写真編集やアナレマ(太陽解析曲線)作成などのプロ向けツールも搭載。Sky Tonightがあれば、望遠鏡なしでも好奇心がそのまま発見につながります。

続きを読む:Sky Tonightのご紹介

2025年6月の天文イベント:まとめ

2025年6月は、6月1日の金星西方最大離角、6月7日の昼間流星群、6月11日の「最極端」の満月、6月30日の火星の月面掩蔽など、ワクワクする天文現象が盛りだくさんです。また、6月21日の夏至は季節の折り返し地点。北半球では夏が始まり、南半球では冬が始まります。

これらすべてのイベントを追いかけるなら、無料のSky Tonightアプリが最適です。リアルタイムで天文現象を追跡し、現在地の夜空を詳しく探検し、カスタム通知、詳細な星空カレンダー、スターゲイジング指数で観察計画をサポートします。さあ、観測ツールを手に入れて、外に出て6月の夜空の美しさを存分に楽しみましょう!

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