赤色巨星アルデバラン:おひつじ座のプレアデスの追跡者
夜空で最も明るい恒星の1つであるアルデバランは、黄道十二星座のおうし座で、有名なプレアデス星団の近くに輝きます。ぜひ見ておきたい魅力的な星です。無料のSky Tonightアプリを使えば、簡単に見つけられます。この記事では、アルデバランにまつわる豊かな神話、物理的特徴、今後の天文イベントを詳しく紹介します。
内容
アルデバランの基本情報
- 正式名称: アルデバラン、おうし座α(アルファ)星、α Tau、Aldebaran
- カタログ番号: HR 1457、HIP 21421、HD 29139
- 星座: おうし座
- 恒星の種類: K5 III型赤色巨星
- 赤経: 04h 35m 55.23s
- 赤緯: +16° 30′ 33.49″
- 見かけの等級: 0.85等
- 質量: 太陽質量の1.03倍
- 光度: 439 L☉
- 半径: 太陽半径の44倍
- 表面温度: 3,900 K
- 地球からの距離: 66.5光年
- 自転周期: 520日
アルデバランは空のどこにある?
アルデバランはおうし座で最も明るい恒星です。地球から見るとヒアデス星団の一部のように見えますが、実際には星団より約90光年も手前にあります。夜空で14番目に明るい恒星で、探す場所さえ分かれば簡単に見つけられます。
アルデバランを最も簡単に見つける方法
特に初めて探す場合は、Sky Tonightのような天文アプリを使うのが最も簡単です。次の手順に従ってください。
- アプリの検索欄に星の名前を入力します。
- 該当する検索結果の右側にある青いターゲットボタンをタップします。星空マップに星の位置が表示されます。
- 画面右下の青いコンパスボタンをタップするか、デバイスを空へ向けます。現在地の情報を使って、画面上の星空と実際の空が一致するよう調整されます。
- 画面と実際の空に明るいオレンジ色のアルデバランが見えるまで、白い矢印に従ってデバイスを動かします。

オリオン座の三つ星からアルデバランを見つける方法
星空観察アプリがなくても、オリオン座を目印にアルデバランを探せます。近接して一直線に並ぶ3つの星、オリオン座の三つ星を見つけ、その線を西へ延ばしてください。その先で最初に出会う明るい星がアルデバランです。オリオン座とおうし座の位置関係を示す、3D映像付きの美しい詩も用意しました。こちらからご覧ください。印象的な映像で、星の位置も覚えやすくなります。
光害の少ない場所では、アルデバランを囲むV字形のヒアデス星団も見えるため、星を正しく見つけたことを確認できます。

アルデバランが見える時期は?
アルデバランは12月から5月上旬にかけて最もよく見えます。この時期は、夕方から夜の空で観測しやすい位置にあります。5月中旬から6月下旬までは、おうし座に太陽が位置するため、アルデバランを含むおうし座の大部分は観測できません。6月末になると、アルデバランは日の出前の空に再び現れます。
アルデバランは、太陽系天体が通るように見える空の経路である黄道の近くにあります。そのため、月や惑星と頻繁に接近します。
2026年9月24〜30日:天王星、アルデバラン、プレアデス星団が弧を描く

9月24〜30日、天王星はアルデバランとプレアデス星団のほぼ中間に位置し、どちらからも約7°離れて見えます。3天体は、おうし座に全長約14°の緩やかな弧を描きます。これは腕を伸ばした先の握りこぶしより少し広い幅です。
正確な時刻は場所によって異なりますが、3天体は23時ごろに北東から昇り、一晩を通して高度を上げます。日の出前の数時間が最も観測しやすいでしょう。
アルデバラン(0.9等)とプレアデス星団(1.2等)は肉眼で簡単に見えます。この2天体を見つけたら、その中間を双眼鏡で探してみましょう。天王星(5.7等)は、暗い星のような光点に見えます。
| 都市 | タイムゾーン | 日付 | 観測開始 | ベストタイム | 観測終了 | 天王星の高度 | アルデバランの高度 | プレアデス星団の高度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 21:50 | 3:58 | 4:25 | 68° | 64° | 69° |
| 仙台 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 22:00 | 3:59 | 4:30 | 72° | 68° | 73° |
| 東京 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 22:10 | 4:04 | 4:35 | 75° | 71° | 75° |
| 名古屋 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 22:20 | 4:15 | 4:45 | 75° | 71° | 75° |
| 大阪 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 22:25 | 4:21 | 4:55 | 76° | 72° | 75° |
| 福岡 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 22:45 | 4:41 | 5:15 | 77° | 73° | 76° |
| 那覇 | JST(UTC+9) | 9月24〜25日 | 23:05 | 4:46 | 5:30 | 84° | 80° | 80° |
- 観測開始: 3天体すべてが地平線から10°以上の高さに達する時刻です。
- ベストタイム: 3天体のうち最も低い天体が最高高度に達する時刻です。
- 観測終了: 太陽高度が地平線下12°に達し、明るくなる薄明の中で天王星が見えにくくなる時刻です。
2026年10月1日:月とアルデバランが接近
2026年10月1日、欠けていく凸月がアルデバランに接近します。日本時間19:49(10:49 GMT)には、星から10°32′の位置に見えます。夜遅くに東の地平線上、または日の出前の高い空で、おうし座にある2天体を探してみましょう。
2026年10月29日:月とアルデバランが接近
2026年10月29日、欠けていく凸月がアルデバランに接近します。日本時間2:57(10月28日17:57 GMT)には、星から10°22′の位置に見えます。10月28日の夕方に東の地平線上へ昇り、夜が深まるにつれて高度を上げる2天体を探してみましょう。
2026年11月25日:月とアルデバランが接近
2026年11月25日、満月に近い月がアルデバランに接近します。日本時間12:46(03:46 GMT)には、星から10°18′の位置に見えます。11月24日から25日にかけて、日没後の東の地平線上、または真夜中ごろの高い空で、おうし座にある2天体を探してみましょう。
2026年12月23日:月とアルデバランが接近
2026年12月23日、満ちていく凸月がアルデバランに接近します。日本時間0:12(12月22日15:12 GMT)には、星から10°19′の位置に見えます。12月22日の夕方の高い空、または夜遅くの西の地平線上で、おうし座にある2天体を探してみましょう。
アルデバランについてよくある質問
アルデバランは何座にある?
アルデバランはおうし座にあります。星座で最も明るい恒星で、天上の牡牛の目を示します。
アルデバランはどのような星?
アルデバランは赤色巨星です。この種類の恒星は一生の終盤に入り、中心核の水素を使い果たした後、不活性なヘリウム核を囲む殻で水素核融合を行っています。
恒星の一生についてもっと知りたいですか?カラフルで分かりやすいインフォグラフィックをご覧ください。

アルデバランの温度は?
アルデバランのような赤色巨星は、表面温度が比較的低い恒星です。アルデバランの表面温度は約3,900 Kです。比較すると、太陽の表面は約1.5倍高温です。
アルデバランは何色?
オレンジがかった赤色のアルデバランは、恒星が膨張して温度が低下する進化段階である赤色巨星の代表例です。恒星の進化については、恒星の一生を紹介するインフォグラフィックをご覧ください。
アルデバランの年齢は?
アルデバランの年齢は約64億年で、太陽よりかなり古い恒星です。今後数億年のうちに核反応が止まり、やがて外層を放出して惑星状星雲を作り、残った中心核は白色矮星になります。
アルデバランの大きさは?
アルデバランの半径は太陽の44倍です。もし太陽系の中心で太陽と入れ替わったなら、その表面は水星の軌道までの半分ほどに達し、空では20°の大きさに見えるでしょう。これは柄を含む北斗七星の幅よりも大きい値です。
アルデバランまでの距離は?
アルデバランは地球から約66.5光年の距離にあり、天文学的には比較的近い恒星です。ほかの明るい恒星と比べてみましょう。
- ケンタウルス座α星(地球に最も近い恒星系):4.3光年
- シリウス(夜空で最も明るい恒星):8.6光年
- ベガ(こと座で最も明るい恒星):25光年
- スピカ(おとめ座で最も明るい恒星):250光年
- アンタレス(さそり座で最も明るい恒星):550光年
- ベテルギウス(オリオン座の明るい恒星):642.5光年
アルデバランの神話:「後に続く者」と「王家の星」
「アルデバラン」という名前は、「後に続く者」を意味するアラビア語の「アル・ダバラーン」に由来します。これは、同じおうし座にあるプレアデス星団の後を追うように見えるためです。
アルデバランは何千年もの間、観測され、特別な星として敬われてきました。紀元前3000年ごろのバビロニアでは、おうし座が春分の到来とバビロニアの新年の始まりを告げたため、「星々を導く星」と呼ばれていました。ペルシャでは、アルデバランはレグルス、アンタレス、フォーマルハウトとともに四季を象徴する4つの「王家の星」の1つでした。メソポタミアの人々は、アルデバランを「光の使者」と呼びました。
現代では、牡牛のオレンジ色の目として描かれることが多い星です。しかし興味深いことに、中世には「牡牛の心臓」を意味するコル・タウリと呼ばれていました。文化によって解釈も異なります。一部のネイティブアメリカンの部族はおうし座をバイソンの頭と見なし、北極圏のイヌイットはアルデバランをホッキョクグマと考えました。
アルデバランについての興味深い事実
多重星系
アルデバランは単独の星ではありません。アルデバランは、おうし座α星Bと呼ばれる小さく暗い伴星を持つ多重星系の一部です。この赤色矮星は見かけの等級が13.6等と非常に暗く、肉眼では見えません。
空では、アルデバランの近くにおうし座α星C、D、E、Fもあります。実際、このうちCとDは連星系ですが、アルデバランとは関係がありません。はるか遠くにあり、ヒアデス星団に属しています。
系外惑星が存在する可能性
アルデバランには、木星の約6.5倍の質量を持つ「アルデバランb」という系外惑星が少なくとも1つ存在する可能性があります。1993年に発見され、2015年に確認されましたが、その後、存在に再び疑問が呈されました。2019年に発表された論文では、アルデバランの周囲には2つの系外惑星があるか、1つもない可能性が示されています。さらに多くのデータが得られるまで、アルデバランbは系外惑星候補のままです。
アルデバランbが実在するとしても、炭素を基盤とする生命には適さないでしょう。平衡温度は約1,500 Kと考えられ、アルデバランから強い放射を受けています。
パイオニア10号の目的地
1972年に打ち上げられた探査機パイオニア10号は、アルデバランの方向へ進んでいます。現在は地球との通信が途絶えていますが、約200万年後にはアルデバラン付近へ到達します。カール・セーガンの提案により、パイオニア10号と姉妹機のパイオニア11号には、宇宙船の起源を地球外の発見者へ伝えるため、人間の姿や記号を描いた金色の陽極酸化アルミニウム板が搭載されています。
アルデバラン:まとめ
アルデバランは、おうし座で最も明るい恒星です。天上の牡牛の燃えるようなオレンジ色の目として描かれ、星座の中で特別な位置を占めています。夜空全体で14番目に明るいため、簡単に見つけられます。また、空で惑星や月などの太陽系天体と頻繁に接近することも魅力です。Sky Tonightアプリを星空観察の案内役にして、アルデバランの美しさを楽しみましょう。
