スピカ:おとめ座の一等星
おとめ座の青白く輝くα星、スピカをご紹介します!この美しい恒星は、空で月や惑星の近くに見えることがよくあります。確実に見つけたい方は、Star Walk 2アプリの案内をご利用ください。スピカの特徴と、今後見られる天文現象について詳しく見ていきましょう。
内容
スピカの基本情報
- 正式名称:スピカ、おとめ座α星、α Vir
- 別名:アジメク、スピカ・ウィルギニス
- カタログ番号:おとめ座67番星、HD 116658、HIP 65474、HR 5056
- 星座:おとめ座
- 恒星の種類:連星系
- 赤経:13時間25分11.58秒
- 赤緯:−11°09′40.8″
- 見かけの等級:0.98等
- 質量:太陽の11.43倍(スピカA)、太陽の7.21倍(スピカB)
- 光度:20,512 L☉(スピカA)、2,254 L☉(スピカB)
- 半径:太陽の7.47倍(スピカA)、太陽の3.74倍(スピカB)
- 表面温度:25,300 K(スピカA)、20,900 K(スピカB)
- 地球からの距離:250光年
- 公転周期:4.0145日
スピカの見つけ方
おとめ座の青白い恒星スピカは十分に明るく(1.0等)、肉眼で見ることができます。スピカの位置を見つけるには、次の方法が役立ちます。
北斗七星を使う

スピカを見つける方法の一つは、空で最も見つけやすい星の並びの一つである北斗七星を使うことです。北斗七星の柄のカーブを延長するとアルクトゥールスにたどり着き、そこから同じくらいの距離をさらに延ばすとスピカに到達します。この探し方は、「弧をたどってアルクトゥールスへ、さらに進んでスピカへ」と覚えましょう。

星座アプリを使う

スピカを見つけるもう一つの便利な方法は、Sky Tonightのような星空観察アプリを使うことです。このアプリでは、天体とその位置をリアルタイムで確認できます。無料のアプリを使い、次の簡単な手順でスピカを見つけましょう。
- アプリの検索バーを開き、「スピカ」と入力します。
- 検索結果の右側にある青いターゲットボタンをタップします。星図上にスピカの位置が表示されます。
- 画面右下の青いコンパスボタンをタップします。端末の位置情報を利用して、画面上の星空と実際の空が一致するように調整されます。
- 白い矢印に従い、画面と実際の空にスピカが見えるまで端末を動かします。
スピカが見える時期
黄道十二星座の一つに属するスピカは、特定の季節に空で見ることができます。観測に最適な時期は3月から6月下旬です。9月中旬から10月末にかけては太陽がおとめ座を通過するため、スピカは昼間の空に位置します。
2026年9月1~3日:金星がスピカに接近

- 最接近時刻:日本時間9月2日09:17(00:17 GMT)
- 最接近距離:1°28′
- 合の時刻:日本時間9月3日12:31(03:31 GMT)
- 合の距離:約1°44′
9月1日から3日にかけて、非常に明るい金星(-4.6等)がスピカ(1.0等)の近くを通過します。2天体は、一般的な双眼鏡の同じ視野内に簡単に収まるほど接近します。
日没後、西の地平線上で探してみましょう。金星はすぐに見つかりますが、スピカを見るには空が暗くなるまで待つ必要があるかもしれません。観測に最適な夜は、場所によって異なります。金星とスピカは、熱帯地域と南半球からの方がはるかに高く見えます。
| 都市 | 最適な観測時刻(日本時間) | 離角 | 金星の高度 | スピカの高度 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 9月2日 午後6:38 | 1.5° | 8° | 9° |
| 仙台 | 9月2日 午後6:33 | 1.5° | 11° | 13° |
| 東京 | 9月2日 午後6:34 | 1.5° | 13° | 14° |
| 名古屋 | 9月2日 午後6:45 | 1.5° | 13° | 15° |
| 大阪 | 9月2日 午後6:50 | 1.5° | 14° | 15° |
| 福岡 | 9月2日 午後7:09 | 1.5° | 14° | 16° |
| 那覇 | 9月2日 午後7:12 | 1.5° | 19° | 20° |
ロンドンでは、明るい薄明の中で2天体が地平線すれすれに見えるため、観測は困難です。ニューヨーク、ロサンゼルス、デリーでは、西の地平線が開けた場所が必要です。
肉眼で見える天体をさらに楽しむなら、夕方の空でアルクトゥールス(-0.05等)と赤く輝くアンタレス(1.0等)を探してみましょう。南半球では、ケンタウルス座α星(-0.3等)もよく目立ちます。
2026年9月13日:月とスピカ

- 最接近時刻:日本時間9月14日04:39(9月13日19:39 GMT)
- 最接近距離:2°12′
- 合の時刻:日本時間9月14日06:35(9月13日21:35 GMT)
- 合の距離:2°25′
9月13日、満ちていく非常に細い月がスピカ(1.0等)の近くを通過します。北半球では、月とスピカが太陽とほぼ同時に沈むため、観測は困難です。南半球では、月とスピカが夕方の空の比較的高い位置に見え、はるかに見つけやすくなります。
細い月の近くでは、金星(-4.8等)が空で最も明るい惑星として輝き、特に南半球の観測者にとって美しい眺めを作ります。
| 都市 | 最適な観測時刻(日本時間) | 離角 | 月の高度 | スピカの高度 | 金星の高度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 9月14日 午後6:16 | 7.6° | 5° | 5° | 5° |
| 仙台 | 9月14日 午後6:14 | 7.5° | 7° | 7° | 8° |
| 東京 | 9月14日 午後6:17 | 7.5° | 9° | 9° | 10° |
| 名古屋 | 9月14日 午後6:27 | 7.6° | 9° | 9° | 10° |
| 大阪 | 9月14日 午後6:33 | 7.6° | 10° | 9° | 10° |
| 福岡 | 9月14日 午後6:52 | 7.8° | 10° | 10° | 11° |
| 那覇 | 9月14日 午後6:59 | 7.7° | 15° | 13° | 16° |
さらに、アルクトゥールス(-0.05等)、赤く輝くアンタレス(1.0等)、そして夜空で最も明るい恒星の一つであるケンタウルス座α星(-0.3等)も探してみましょう。
2026年10月11日:月とスピカ
- 最接近時刻:日本時間10月11日13:18(04:18 GMT)
- 最接近距離:2°08′
- 合の時刻:日本時間10月11日15:10(06:10 GMT)
- 合の距離:2°20′
10月11日、新月を過ぎたばかりの極めて細い月がスピカ(1.0等)の近くを通過します。どちらも空で太陽のすぐ近くに位置するため、この現象を観測することはほぼ不可能です。
月とスピカを見るのによりよい機会は、その後の数か月に訪れます。このころには2天体が太陽から離れ、日の出前の空のより高い位置に見えるようになります。
2026年11月7日:月とスピカ

- 最接近時刻:日本時間11月7日20:29(11:29 GMT)
- 最接近距離:2°10′
- 合の時刻:日本時間11月7日22:23(13:23 GMT)
- 合の距離:2°23′
11月7日、欠けていく細い月がスピカ(1.0等)の近くを通過します。非常に明るい金星(-4.5等)も月から約1°のところに輝き、スピカよりはるかに簡単に見つけられます。美しい3天体は日の出前の明け方の低い空に現れます。東南東の空で、肉眼または双眼鏡を使って探してみましょう。
| 都市 | 最適な観測時刻(日本時間) | 離角 | 月の高度 | スピカの高度 | 金星の高度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 11月7日 午前5:46 | 7.5° | 17° | 11° | 11° |
| 仙台 | 11月7日 午前5:40 | 7.5° | 18° | 12° | 12° |
| 東京 | 11月7日 午前5:42 | 7.5° | 19° | 13° | 12° |
| 名古屋 | 11月7日 午前5:52 | 7.4° | 19° | 13° | 12° |
| 大阪 | 11月7日 午前5:57 | 7.3° | 19° | 13° | 13° |
| 福岡 | 11月7日 午前6:16 | 7.1° | 19° | 13° | 13° |
| 那覇 | 11月7日 午前6:17 | 7.1° | 20° | 14° | 14° |
日の出前には、ほかの明るい天体も見えます。火星(0.8等)と木星(-2.0等)は明け方の空のより高い位置で輝き、アルクトゥールス(-0.05等)とレグルス(1.4等)も周囲の恒星の中で簡単に見つけられます。
2026年12月4日:月とスピカ

- 最接近時刻:日本時間12月5日02:17(12月4日17:17 GMT)
- 最接近距離:2°19′
- 合の時刻:日本時間12月5日04:19(12月4日19:19 GMT)
- 合の距離:2°33′
12月4日、欠けていく細い月がスピカ(1.0等)の近くを通過します。日の出前、東南東の地平線上に見える2天体を探してみましょう。
非常に明るい金星(-4.7等)も近くで輝き、月とスピカとほぼ一直線に並びます。金星はスピカよりはるかに簡単に見つけられるため、細い月とともに、おとめ座で最も明るい恒星を探す目印として利用できます。
| 都市 | 最適な観測時刻(日本時間) | 離角 | 月の高度 | スピカの高度 | 金星の高度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 12月5日 午前6:17 | 3.9° | 26° | 30° | 28° |
| 仙台 | 12月5日 午前6:08 | 3.9° | 29° | 33° | 31° |
| 東京 | 12月5日 午前6:07 | 3.8° | 31° | 34° | 32° |
| 名古屋 | 12月5日 午前6:17 | 3.9° | 31° | 35° | 32° |
| 大阪 | 12月5日 午前6:22 | 3.9° | 31° | 35° | 32° |
| 福岡 | 12月5日 午前6:40 | 4.0° | 32° | 35° | 32° |
| 那覇 | 12月5日 午前6:37 | 4.0° | 35° | 39° | 35° |
日の出前の空では、月、スピカ、金星の並び以外にも多くの天体を楽しめます。空のより高い位置には、明るい木星(-2.2等)、赤みを帯びた火星(0.4等)、レグルス(1.4等)が集まって見えます。東の空では、アルクトゥールス(-0.05等)も肉眼で見える明るい天体として輝きます。
おとめ座で最も明るいスピカは、実は2つの恒星
スピカは単独の恒星ではありません。スピカAとスピカBという2つの恒星からなる連星系です。2つの恒星は非常に近い距離で互いの周りを公転しているため、望遠鏡を使っても2つに分離して見ることはできません。また、互いの重力によって楕円形に変形しています。
スピカA
スピカAの直径は太陽の約7.5倍で、連星系を構成する大きい方の恒星です。太陽の2万倍以上の光度で輝く青白い巨星です。連星系から見える光のおよそ85%はスピカAから放たれています。

スピカB
スピカBはスピカAより小さく、直径は太陽の約3.7倍です。青白い主系列星であり、中心部では現在も水素の核融合が続いています。スピカAより質量と光度は小さいものの、それでも太陽よりはるかに大きく高温です。
スピカについてのその他の事実
おとめ座で最も明るい恒星
スピカは、おとめ座で最も明るい恒星です。また、全天で15番目に明るい恒星に数えられます。太陽も含める場合は16番目です。

おとめ座の手にある麦の穂
「スピカ」という名前は、ラテン語で「麦の穂」を意味する言葉に由来します。おとめ座と結び付けられたギリシャ神話の農耕の女神デメテルが手に持つ、一本の麦の穂を表しています。
航海の目印となる恒星
スピカは、航空暦と航海暦で使用される57個の航法星の一つです。明るく、位置を簡単に見分けられるため、天測航法に役立ってきました。
春の大三角と春のダイヤモンドの一部
スピカは、2つのアステリズムを構成しています。一つは、うしかい座のアルクトゥールス、しし座のレグルスとともに作る春の大三角です。もう一つは、うしかい座のアルクトゥールス、しし座のデネボラ、りょうけん座のコル・カロリとともに作る春のダイヤモンドです。
スピカの月による掩蔽は周期的に起こる
スピカは黄道から約2°南に位置しています。一方、月は黄道の北約5°から南約5°までの範囲を移動し、18.6年ごとに同じ位置へ戻ります。この位置関係により、月が長期間にわたってスピカのすぐ北側または南側を通過した後、数か月間はスピカの手前を定期的に通過し、月による掩蔽*が繰り返されます。
前回の掩蔽周期は、2024年6月16日から2025年11月17日まで続きました。現在、月は毎月スピカの南側を通過しています。次の約20回の掩蔽(部分掩蔽と接食を含む)は、2031年2月12日から2032年7月15日までの間に起こります。その後、月は数年間スピカの北側を通過し、2043年1月4日に再びスピカと重なります。
*月による掩蔽とは、月が恒星や惑星など、より遠くにある天体の手前を通過し、地球上の一部地域から一時的にその天体が見えなくなる現象です。
スピカとは:まとめ
スピカは、おとめ座で最も明るい恒星です。月や惑星がスピカの近くを通過することが多く、今後の現象はこの記事の「スピカが見える時期」で紹介しています。スピカは、北斗七星や、Sky Tonight、Star Walk 2などの星空観察アプリを使って見つけられます。
