ポラリスとは?北極星の意味と見つけ方
北極星として知られるポラリスは、北半球の大部分で一年中見える、ほどほどに明るい恒星です。夜空で最も明るい恒星ではありませんが、天の北極から1°未満の位置にあるため、北の方角を知るための最も分かりやすい天体の目印の一つです。
Sky Tonightアプリを使えば、どこにいても空にあるポラリスをすぐに見つけられます。この記事では、北斗七星を使った探し方、真北を知る方法、さらに自分の緯度を推定する方法まで解説します。
内容
- ポラリス(こぐま座α星)の基本情報
- 北極星とは?
- 北極星の見つけ方
- ポラリスが空で動かないように見えるのはなぜ?
- ポラリスを方角の確認に使う方法
- ポラリスは1つの恒星?
- ポラリスの明るさが変化するのはなぜ?
- ポラリスに関する最近の発見
- ポラリスは昔から北極星だった?
- 北極星ポラリス:まとめ
ポラリス(こぐま座α星)の基本情報
- 正式名称: こぐま座α星、α UMi
- 一般名: ポラリス、北極星、極星
- カタログ番号: HIP 11767、HR 424、HD 8890、TYC 4628-237-1
- 星座: こぐま座
- 恒星の種類: 三重連星系。肉眼で見える主星ポラリスAaは、F8 Ib型の黄白色超巨星で古典的セファイド変光星
- 赤経: 02h 31m 49.08s(ICRS、J2000)
- 赤緯: +89°15′50.8″(ICRS、J2000)
- 見かけの等級: 約2.0等。小さな脈動は肉眼では分からない
- ポラリスAaの質量: 太陽の5.13 ± 0.28倍
- ポラリスAaの平均半径: 太陽の46.27 ± 0.42倍
- ポラリスAaの表面温度: 約6,015K
- 地球からの距離: 136.90 ± 0.34パーセク、約447光年
- 脈動周期: 約3.97日
- ポラリスAaとAbの公転周期: 約30年
- ポラリスAaの自転周期: 100.29 ± 0.19日
ポラリスは肉眼では1つの恒星に見えますが、実際には3つの恒星からなる星系です。見えている光のほぼすべては、周期的に膨張と収縮を繰り返す黄白色超巨星ポラリスAaから届いています。
北極星とは?
北極星とは、地球の北極点の真上にあたる空の一点、天の北極に最も近い、明るく見つけやすい恒星です。現在の北極星は、こぐま座α星とも呼ばれるポラリスです。

「北極星」は特定の恒星に永久に与えられた名前ではなく、役割を表す呼び名です。地球の自転軸は数千年かけてゆっくりと向きを変えるため、時代によって天の北極を示すのに最適な恒星も変わります。
北極星の名前は?
現在の北極星はポラリスです。この名前は「極星」を意味する近代ラテン語のstella polarisに由来します。バイエル符号はこぐま座α星です。ほかにも、「極星」や「導きの星」を意味する伝統的な呼び名があります。いずれも、北の空で古くから道案内に使われてきたことを示しています。
北極星はどの星座にある?
ポラリスは、こぐま座に属しています。小北斗七星の柄の先端であり、こぐまの尾の先を表す恒星です。
一年中地平線の下に沈まないこぐま座などについては、周極星座のガイドをご覧ください。
シリウスは北極星?
いいえ。シリウスは、おおいぬ座にあるまったく別の恒星です。見かけの等級が−1.4等で、夜空で最も明るい恒星です。一方、ポラリスは約2.0等で、明るさの順位はおよそ50位にすぎません。
シリウスとおおいぬ座については、それぞれの特集記事で詳しく紹介しています。
ポラリスはいつ見える?
北半球の大部分では、ポラリスは周極星です。一晩中地平線の上にあり、一年を通して見ることができます。空が晴れていれば、肉眼でも比較的簡単に見つけられます。
北へ行くほど、ポラリスは空の高い位置に見えます。赤道付近では北の地平線すれすれにあり、もや、建物、地形などに隠れることがあります。南半球の大部分では地平線の下にあり、見ることができません。
北極星の見つけ方
ポラリスは特別に明るいわけではないため、光害のある空ではすぐに目立たない場合があります。北斗七星または星空観察アプリを使うのが、最も簡単な探し方です。
北斗七星を使って北極星を探す方法
北斗七星は、おおぐま座の中にある目立つ星の並びです。ひしゃくの器部分の外側を作る2つの恒星、メラクとドゥーベを探しましょう。この2つはポラリスの方向を示すため、「指極星」と呼ばれます。
メラクからドゥーベへ想像上の線を引き、2つの恒星の間隔の約5倍まで延ばしてください。その線の先で最も明るく、小北斗七星の柄の末端にある恒星がポラリスです。

北斗七星は北の空を回るように動くため、季節や時刻によって、上下が正しいひしゃく、横向きのひしゃく、逆さまのひしゃくなど、さまざまな向きに見えます。
誰でも見つけられる15の恒星のインフォグラフィックでは、見慣れた星の並びを使ってポラリスや有名な恒星を探す方法を紹介しています。

Sky Tonightでポラリスを探す方法

ポラリスを見つける最も簡単な方法は、Sky Tonightアプリを使うことです。
- アプリを起動して、虫眼鏡アイコンをタップします。
- 検索欄に「ポラリス」と入力し、該当する検索結果をタップします。
- 青いターゲットボタンをタップして、星図上にポラリスを表示します。
- コンパスボタンをタップするか、端末を空へ向けます。
- ポラリスが見つかるまで、画面上の矢印に従ってください。
Sky Tonightは現在地と現在時刻を使用するため、木、建物、光害などで普段の星の並びを見分けにくい場合でも、見るべき方向を示してくれます。
ポラリスが空で動かないように見えるのはなぜ?

地球が自転すると、空全体が天の北極を中心に回転しているように見えます。天の北極から遠い恒星は大きな弧を描きます。一方、2020年代半ばのポラリスは天の北極から約0.6°しか離れていないため、直径約1.2°の小さな円を描きます。
そのため、周囲の恒星が動いて見えるのに対し、ポラリスはほとんど動かないように見えます。地球の自転軸を北へ延長した方向の近くにあるため、1日の見かけの動きが非常に小さいのです。
ただし、ポラリスが完全に静止しているわけではありません。長時間露光写真なら動きを捉えることができます。また、天の北極に対する位置も数世紀かけて少しずつ変化します。
ポラリスを方角の確認に使う方法
ポラリスで真北を知る方法
日常的に方角を確認する場合、ポラリスは地理的な北である真北のおおよその方向を示します。ポラリスを見つけたら、その方向を向きましょう。
- 正面が北です。
- 右が東です。
- 左が西です。
- 背後が南です。
ポラリスは天の北極と完全には一致していないため、真北よりわずかに東または西に見えることがあります。日常的な方角確認では問題になりませんが、精密な天測航法では補正が必要です。
ポラリスと方位磁針:北を探すにはどちらがよい?

ポラリスと方位磁針は、少し異なる役割を果たします。ポラリスはおおよその真北を示し、周囲の磁場には影響されませんが、晴れた夜に北の空が見える必要があります。
方位磁針は日中や曇天でも使えますが、地球の磁極方向である磁北を指します。真北を求めるには、観測地における磁北と真北の角度、つまり磁気偏角を使って方位磁針の値を補正する必要があります。現在地の磁気偏角は、オンライン計算ツールで確認できます。
どちらか一方が常に優れているわけではありません。正確なナビゲーションには、必要な補正を行い、可能なら複数の目印を利用してください。
ポラリスを使って緯度を推定する方法
北の地平線から見たポラリスの高度は、おおよそ観測地の緯度と同じになるため、北緯を推定できます。
例えば北緯45°では、ポラリスは北の地平線から約45°、腕を伸ばしたときの握りこぶし約4個半分の高さに見えます。北極点ではほぼ真上にあります。赤道付近では地平線すれすれに見えるため、もや、地形、建物、大気差の影響で利用しにくくなります。

この方法を試すには、北を向いてポラリスを見つけます。片腕をまっすぐ伸ばし、握りこぶしの下端を北の地平線に合わせてください。ポラリスに届くまで、握りこぶしを順に積み重ねます。腕を伸ばしたときの握りこぶし1個分は空の約10°、小指の幅は約1°です。角度を合計するとポラリスの高度が分かり、そこから緯度を推定できます。手を使ったほかの測定方法は、空の角距離を測る方法のガイドをご覧ください。
ポラリスは1つの恒星?
いいえ。肉眼で1つに見えるポラリスは、ポラリスAa、ポラリスAb、ポラリスBからなる三重連星系です。
- ポラリスAaは、北極星として見えている明るい超巨星で、古典的セファイド変光星です。
- ポラリスAbは、ポラリスAaの周りを約30年で一周する、はるかに暗いF型主系列星です。主星に近すぎて暗いため、一般的なアマチュア向け望遠鏡では見えません。
- ポラリスBは、約18秒角離れたF型の伴星です。大気が安定していれば中小口径の望遠鏡で分離できますが、ポラリスAaの光がまぶしいため、観測は簡単ではありません。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡は、近接した伴星ポラリスAbを直接撮影しました。伴星の動きを追跡することで、天文学者は恒星進化の理論モデルだけに頼らず、ポラリスAaの質量を測定できます。
ポラリスは何色?
ポラリスAaは、F8 Ib型の黄白色超巨星です。ただし、黄色みはごくわずかなため、多くの観測者には白く見えます。
2つの伴星もF型星で、全体として白色または黄白色ですが、肉眼で見た星系の色に目立った影響を与えるには暗すぎます。
有名な恒星の色、位置、特徴は、明るい恒星のインフォグラフィックでご覧ください。

ポラリスの明るさが変化するのはなぜ?
ポラリスAaは、振幅の小さい古典的セファイド変光星です。膨張と収縮を繰り返すため、約3.97日の周期で温度、半径、明るさが変化します。
変化は非常に小さく、肉眼で何気なく見ても分かりませんが、天文学者は正確に測定できます。
セファイド変光星は、脈動周期と真の光度に関係があるため、天文学で非常に重要です。セファイド変光星の真の光度と、地球から見た明るさを比較することで、天文学者はその距離を推定できます。ポラリスは最も近く、最も明るい古典的セファイド変光星であり、この種類の恒星を研究するための重要な観測対象です。
ポラリスに関する最近の発見
現代の観測機器によって、古くから道案内に使われてきたこの恒星が、見た目以上に複雑であることが分かってきました。
2024年:ポラリスの質量、半径、軌道をより正確に測定
CHARAアレイを使用した2024年の研究では、ポラリスAbの高解像度観測と、数十年分の視線速度測定が組み合わされました。研究者は、ポラリスAaの力学的質量を太陽の5.13 ± 0.28倍と算出しました。
同じ研究では、平均半径が太陽の46.27 ± 0.42倍、約3,200万kmであることを測定し、ポラリスAbの軌道も精密化しました。また、実測された質量の恒星について一部の恒星進化モデルが予測する値よりも、ポラリスの光度が高いことも示されました。
2026年:古典的セファイド変光星の自転周期を初めて直接測定
2026年6月に発表された研究では、5年間にわたる磁場観測を用いて、ポラリスの自転周期を100.29 ± 0.19日と直接測定しました。
研究者によると、古典的セファイド変光星の自転周期を直接測定したのは、これが初めてです。ポラリスの弱く複雑な磁場は、起源がまだ分かっていないものの、観測期間を通じて驚くほど安定していました。
また、測定結果は、恒星の自転軸と近接伴星の軌道面が大きくずれている可能性が高いことも示しています。この結果は、ポラリスの特異な進化の歴史を調べる手がかりになるかもしれません。
ポラリスは昔から北極星だった?
いいえ。地球の自転軸は歳差運動によってゆっくりと向きを変え、約2万6,000年で一周します。その結果、天の北極は背景の恒星に対して少しずつ移動します。
紀元前2800年頃、天の北極はりゅう座のトゥバンにはるかに近い位置にありました。その後は、こぐま座のコカブが北を示す便利な目印として使われました。ポラリスは徐々に天の北極を示す最も明るい目印になったため、北極星の称号が正式に交代した特定の日付はありません。
ポラリスが真北に最も近づくのはいつ?
ポラリスは現在も天の北極に近づいており、2100年頃には約0.45°まで接近します。その後、歳差運動によって天の北極はポラリスから離れていきます。
最接近の正確な日付は、歳差、章動、光行差、恒星の固有運動を計算にどう反映するかによって変わります。そのため、具体的な日付は固定された天文上の節目ではなく、採用するモデルに基づく推定値にすぎません。
次の北極星は?
天の北極が空を移動するにつれて、いくつかの明るい恒星が北を示す目印になります。次の日付は概算であり、すべての恒星が現在のポラリスほど天の北極に近づくわけではありません。
- ケフェウス座γ星(エライ)は次の目立つ北極星となり、4100年頃に天の北極へ最も近づきます。
- ケフェウス座のアルデラミンは、7500年頃に北を示す便利な目印になります。
- ベガは1万4,000年頃に天の北極付近へ移動しますが、数度離れたままです。
歳差運動は約2万6,000年周期で繰り返されますが、恒星そのものも宇宙空間を移動しているため、空がまったく同じ星の配置に戻ることはありません。

北極星についてよくある質問
ポラリスとは?
ポラリスは、こぐま座α星と呼ばれる三重連星系です。明るい主星は、地球に最も近い古典的セファイド変光星です。現在、肉眼で天の北極を探すための最も便利な目印となっています。
北極星はどの星座にある?
ポラリスはこぐま座にあり、こぐまの尾の先端を表します。また、小北斗七星の柄の末端にあたります。
北極星は北斗七星の一部?
いいえ。ポラリスは、こぐま座にあるアステリズム、小北斗七星の一部です。北斗七星の指極星であるメラクとドゥーベを使うと、ポラリスの方向を見つけられます。
北極星は最も明るい恒星?
いいえ。ポラリスはこぐま座で最も明るい恒星ですが、夜空全体ではおよそ50番目の明るさです。最も明るい恒星はシリウスです。
ポラリスは常に北を示す?
2020年代半ばのポラリスは天の北極から約0.6°離れており、日常的に方角を確認するには十分な精度で真北を示します。ただし、正確な方位角は真北よりわずかに東西へずれるため、精密な航法では補正が必要です。
赤道からポラリスは見える?
赤道では天の北極が地平線上にあるため、ポラリスは1恒星日の間に地平線のわずか上と下を移動します。北の地平線が完全に開けていれば、条件の良い瞬間に見える可能性がありますが、通常はもやや大気減光の影響で観測が困難です。
南半球からポラリスは見える?
赤道より南にある大部分の地域では、ポラリスは地平線の下にあります。赤道のすぐ南では、時刻によって地平線のわずか上に昇る可能性がありますが、非常に低いため、通常は観測が困難です。
南極星はある?
現在、天の南極に十分近い明るい恒星はなく、ポラリスのように分かりやすい南半球の北極星に相当する恒星はありません。南半球の観測者は、みなみじゅうじ座(南十字星)を使って南の方角を推定することがよくあります。
ポラリスまでの距離は?
ポラリスは地球から約447光年離れています。光が地球に届くまで約447年かかるため、現在私たちが見ているポラリスは、16世紀後半の姿です。
北極星ポラリス:まとめ
ポラリスは最も明るい恒星ではありませんが、天の北極から1°未満の位置にあるため、北半球の夜空で最も役立つ目印の一つです。また、注目すべき三重連星系であり、地球に最も近い古典的セファイド変光星でもあります。
北斗七星のメラクとドゥーベを使って、空にあるポラリスを探しましょう。より早く簡単に見つけるなら、Sky Tonightアプリを使うと、現在地から見える正確な位置を確認できます。ポラリスを見つけたら、地平線からの高度を測ることで、自分の緯度を推定できます。
