4月の星座と星のおすすめ

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有名なおおぐま座から巨大なうみへび座まで、4月の夜空には、誰でも楽しめる星座がそろっています!このガイドでは、今月とくによく見える8つの星座を厳選しました。明るくて見つけやすい星座に注目するもよし、見つけるのが難しい星座にチャレンジするのもよし。星空観察をもっと簡単にしたいなら、無料の天文アプリStar Walk 2を活用して、空にある星座をすばやく見つけましょう。それでは、始めましょう!

目次

4月によく見える星座

以下の星座を見るには、現地時間の午後9時ごろに空を見上げてみましょう。北半球に住んでいる場合は南の空、南半球では北の空を見るのがポイントです。無料の天文アプリStar Walk 2を使えば、どんな星座や星でも簡単に探すことができます。

なお、星座は明るさ順(明るいものから暗いものへ)に並べています:

  • ☆☆☆:とても明るく、簡単に見つけられる星座
  • ☆☆:やや明るく、少し注意すれば見つけられる星座
  • :アプリの助けがあると見つけやすい星座

しし座

  • 明るさ:☆☆
  • 見える地域: 北緯90度〜南緯65度
  • 一番明るい星:レグルス(1.3等)
  • おすすめの深空天体:ハンバーガー銀河(9.5等)
Leo Star Walk 2
しし座は、北天にある大きくて目立つ星座で、947平方度の領域をカバーしています。

しし座(ラテン語:Leo)は、12の黄道星座のひとつです。2世紀にギリシャの天文学者プトレマイオスが、他の黄道星座とともに初めて記録しました。この星座は、ヘラクレスが12の功業の最初で倒した「ネメアの獅子」と関連付けられることが多いです。

しし座は、全天で12番目に大きく、最も目立つ星座のひとつです。南極を除くほぼすべての地域から観察でき、その特徴的な形から見つけやすい星座でもあります。肉眼で見える6つの星が「ししの大鎌」と呼ばれるアステリズムを形づくり、反転したクエスチョンマークのように見えます。この形の根元に位置するのが、しし座で最も明るい星レグルスです。

おおぐま座

  • 明るさ:☆☆
  • 見える地域: 北緯90度〜南緯30度
  • 一番明るい星:アリオト(1.8等)
  • おすすめの深空天体:ボーデの銀河(6.9等)、回転花火銀河(7.9等)、葉巻銀河(8.4等)
Ursa Major Star Walk 2
おおぐま座は、北天にある大きくて明るい星座で、1280平方度の領域をカバーしています。

おおぐま座(ラテン語:Ursa Major)は、全天で3番目に大きく、北半球では最大の星座です。そのラテン名は「大きなクマ」を意味し、隣にある小さな星座「こぐま座(小さなクマ)」と対をなしています。おおぐま座には、明るい7つの星からなる北斗七星が含まれており、北半球でもっとも有名で見つけやすい星の並びのひとつです。

この星座は2世紀、ギリシャの天文学者プトレマイオスによって記録されました。ギリシャ神話では、ゼウスの妻ヘラの嫉妬によってクマに変えられたニンフ「カリスト」と関連づけられています。

おおぐま座は多くの星空ファンに人気のある星座で、北半球では地平線の下に沈むことがなく、一年中観察できます。また、回転花火銀河(M101)、ボーデの銀河、葉巻銀河、ふくろう星雲など、注目すべき星や深空天体も多数存在します。

もっと知りたい方はこちら4月に見える魅力的な深空天体

うみへび座

  • 明るさ:☆☆
  • 見える地域: 北緯60度〜南緯90度
  • 一番明るい星:アルファルド(2.0等)
  • おすすめの深空天体:M48(5.8等)、南の回転花火銀河(7.6等)
Hydra Star Walk 2
うみへび座は、天の赤道付近に位置する非常に大きな星座で、1303平方度の領域をカバーしています。

全天88星座の中で最も大きい星座、うみへび座(ラテン語:Hydra)を見逃さないで!その名のとおり水蛇として描かれることが多く、天の赤道を横切るように広がっています。2世紀にはプトレマイオスによって記録されました。非常に長い星座で、「蛇」の全体が空に昇りきるのは真夜中を過ぎてからになります。

うみへび座は大きいものの、明るい星はあまり多くありません。最も明るい星はオレンジ色のアルファルドで、光害のある場所でも肉眼で見える、数少ないうみへび座の星のひとつです。

この星座には、興味深い深空天体もあります。そのひとつがM48という散開星団で、星座の端の方に位置しています。空が暗く澄んでいれば肉眼でも見える明るさですが、双眼鏡を使えばさらに美しく観察できます。

コップ座

  • 明るさ:☆
  • 見える地域: 北緯65度〜南緯90度
  • 一番明るい星:コップ座デルタ星(3.6等)
  • おすすめの深空天体:NGC 3511(10.8等)
Crater Star Walk 2
コップ座は、南天にある小さな星座で、282平方度の領域をカバーしています。

うみへび座の背中に乗るようにして位置するのが、小さくて暗い星座コップ座(ラテン語:Crater)です。2世紀にプトレマイオスが記録した48星座のひとつでもあります。

コップ座は全天で53番目の大きさの星座で、明るい星がありません。星の多くが4等星より暗いため、都市部や明るい場所では見つけにくいです。コップ座を観察するには、街明かりのない暗く澄んだ空の下へ行くのが最適です。

こじし座

  • 明るさ:☆
  • 見える地域: 北緯90度〜南緯45度
  • 一番明るい星:プラエキプア(3.8等)
  • おすすめの深空天体:NGC 3344(10.5等)
Leo Minor Star Walk 2
こじし座は、北天にある小さな星座で、232平方度の領域をカバーしています。

こじし座(ラテン語:Leo Minor)は、見つけやすい位置にありながら、見えにくい星座です。おおぐま座としし座という有名な星座の間に位置していますが、自身には明るい星がほとんどありません。全88星座の中で64番目の大きさと小さく、夜空でその淡い三角形の形を見つけるのは少し難しいかもしれません。

この星座は1600年代後半、天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって命名されました。彼は、これまで空白だった領域にいくつかの新しい星座を加え、そのひとつがこじし座です。ラテン語名の意味は「小さなライオン」で、より大きく目立つしし座の対になる存在として作られました。

カメレオン座

  • 明るさ:☆
  • 見える地域: 北緯0度〜南緯90度
  • 一番明るい星:カメレオン座アルファ星(4.1等)
  • おすすめの深空天体:イータ・カメレオンティス星団(5.5等)
Chamaeleon Star Walk 2
カメレオン座は、南天にある小さくて暗い星座で、132平方度の領域をカバーしています。

カメレオン座(ラテン語:Chamaeleon)は、全天で79番目の大きさの小さな星座で、南半球でしか見ることができません。この星座は、他の11の南天星座とともに、1500年代後半にオランダの航海者ピーテル・ケイザーとフレデリック・デ・ハウトマンによって導入されました。

カメレオン座にある星はどれも比較的暗く、4等星より明るい星は存在しません。最も明るい4つの星がコンパクトなダイヤモンド型をつくっており、南天の天の極から約10度、南十字星で最も明るい星「アクルックス」からおよそ15度南に位置しています。

ポンプ座

  • 明るさ:☆
  • 見える地域: 北緯45度〜南緯90度
  • 一番明るい星:ポンプ座アルファ星(4.2等)
  • おすすめの深空天体:NGC 2997(10.6等)
Antlia Star Walk 2
ポンプ座は、南天にある小さくて暗い星座で、239平方度の領域をカバーしています。

ポンプ座(ラテン語:Antlia)の星々は非常に暗いため、この星座が作られたのは18世紀になってからです。フランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカーユは、当時まだ地図に記されていなかった南天の暗い領域に注目し、既存の星座のすき間を埋めるためにポンプ座を含む14の新しい星座を導入しました。彼はこれらの星座に、当時の科学機器の名前を付けており、ポンプ座も1600年代に発明された装置にちなんで名付けられました。

ポンプ座は全天で62番目の大きさの星座ですが、一番明るい星でも等級は4.2と、肉眼では見づらく、双眼鏡が必要です。いくつかの星には太陽系外惑星が見つかっていますが、いずれも肉眼では観察できません。また、多くの銀河も含まれていますが、そのほとんどが非常に遠く暗いため、アマチュア天文家でも見つけるのは難しいでしょう。

ろくぶんぎ座

  • 明るさ:☆
  • 見える地域: 北緯80度〜南緯80度
  • 一番明るい星:ろくぶんぎ座アルファ星(4.5等)
  • おすすめの深空天体:NGC 3115(9.9等)
Sextans Star Walk 2
ろくぶんぎ座は、南天にある小さくて暗い星座で、314平方度の領域をカバーしています。

ろくぶんぎ座(ラテン語:Sextans)は、かつて星の位置を測定するために使われていた古代の天文機器「六分儀」を表す星座です。1600年代に天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって命名され、しし座とうみへび座という明るい星座の間にある、暗い領域を埋める形で導入されました。

ろくぶんぎ座の星は非常に暗く、夜空ではまるで「空白」のように見えることもあります。この星座には多くの銀河が含まれていますが、10等より明るいものは1つだけで、ほとんどはアマチュア機材では観察が難しいほど暗いです。

4月の夜空マップ

4月の夜の星空マップを見て、星座の位置関係をイメージしてみましょう。マップの中央は頭上の空を、円の外周は地平線を示しています。

April Night Sky Map
このマップは、2025年4月中旬の午後9時ごろに、北緯・南緯中緯度地域から見える夜空を示しています。

一部の星座は昇っては地平線の下に隠れますが、一晩中沈まない星座も存在します。これらは周極星座と呼ばれます。北半球では北の空に、南半球では南の空にそれぞれ周極星座が見られます。

4月に見える星座:まとめ

4月は、おおぐま座やしし座といった有名な星座を観察するのにぴったりの時期です。うみへび座やこじし座など、やや暗いけれど興味深い星座も見逃せません。Star Walk 2アプリを使えば、空にあるどんな星座でも簡単に見つけられます。それでは、星空観察を楽しんでください!

2025年4月の夜空で見られるその他の天文情報

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