黄道光とは? 春分・秋分のころに見える「偽の夕暮れ/偽の夜明け」
黄道光は、夜空でも特に幻想的で繊細な現象のひとつです。地平線から伸びる光の円すいとして見えます。天文アプリSky Tonightを使えば、あなたの空でも簡単に見つけられます。「偽の夜明け」や「偽の夕暮れ」と呼ばれることもありますが、実は地球の大気で生じる光ではありません。では、その正体は何なのでしょう?さっそく見ていきましょう。
内容
黄道光とは?
黄道光(こうどうこう)は、地平線上の日の出または日の入りのポイントの上にあるぼんやりした光のピラミッドです。それは黄道を中心にしています。黄道はよく知られている黄道星座を横切る空の太陽の道です。これが黄道光と呼ばれる所以です。
黄道帯の光に気づいていても、それが何であるかさえ気づいていないかもしれません。近くの街の明かりや長引く夕暮れのように見えます。そして、黄道光を天の川と混同するかもしれませんが、それは驚くべきことではありません。暗い空の下では、黄道光はかなり明るく、乳白色がより強く見えることもあります。ただし、そのピラミッド状(円すい状)の形が黄道光を見分けるポイントです。暗い空では、黄道光と本物の天の川が交差して見えることさえあります。

黄道光の理由
黄道光は、本当の薄明(夕焼け・朝焼け)と違って赤みがないことで見分けられます。ピンク色は地球の大気による効果ですが、黄道光は地球の大気の外で生じる光だからです。黄道光は、太陽系の面(黄道面)付近に集まった惑星間塵(微細なちり)に太陽光が反射して起こります。これらのちりは、太陽付近から地球の公転軌道の外側まで広がる、扁平な構造の黄道雲(zodiacal cloud)を形成しています。
では、このちりはどこから来るのでしょう?科学者たちは長い間、黄道光の原因となる宇宙塵は小惑星や彗星によって生み出されると考えてきました。しかし、新しい研究によれば、この宇宙塵の主要な供給源のひとつは、火星で起こるダストストーム(砂嵐)かもしれません。
黄道光が特別なのは、地球の大気で生じる現象ではない点です。とはいえ、地球の大気も見事な光のショーをたくさん見せてくれます!写真を見ながらどれだけ見分けられるか、大気現象クイズで試してみてください。

黄道光はどれくらい明るい?
黄道光は、コントラストが非常に低い現象です。恒星や惑星のように点として強く輝くわけでも、くっきりした光の筋を作るわけでもありません。空をやわらかく明るくし、暗闇へと徐々に溶け込んでいく、淡い三角形の光として見えます。
本当に暗い空の下では、黄道光は天の川の中でも最も淡い部分に近い明るさに見えることがありますが、多くの場所ではそれより暗く見えます。そのため、見落とされがちです。光害、月明かり、そして大気の透明度の悪さは黄道光を簡単にかき消してしまいます。特に黄道光は地平線付近で最も明るく見えることが多いため、なおさらです。黄道光そのものは珍しい現象ではありませんが、とても繊細で、観測条件が優れたときにしか姿を現しません。
気軽に見上げる観察では暗く見えるかもしれませんが、黄道光は宇宙望遠鏡にとって重要な背景光の一つで、特に赤外線天文学では大きな影響があります。そのため、高精度の観測では黄道光の寄与を慎重に見積もる必要があります。
黄道光は「偽の夜明け」か「偽の夕暮れ」?
黄道光は、時期によって「偽の夜明け」とも「偽の夕暮れ」とも呼ばれます。春には、両方の半球で、真の夕暮れの直後に黄道光が発生するため、「偽の夕方の薄明」と呼ばれます。 秋には真の夜明けの直前に黄道光が発生し、「偽の朝の黄昏」として知られています。北半球と南半球では季節が逆になっていることに注意してください。
黄道光の見る時間
両方の半球で、中緯度では、分点の頃に黄道光が最もよく見られます。熱帯の緯度では、一年中見ることができます。

春の黄道光は偽の夕暮れ
春に、西の空に1時間ほど黄道光が見えます。日没から約90分後から「偽の夕暮れ」の観察を開始します。
北半球では、2月下旬に空に現れ、3月の分点の頃に最大の明るさに達し、5月上旬まで続きます。
南半球では、黄道光は8月下旬に空に現れ、9月の分点頃に最大の明るさに達し、11月上旬まで続きます。
秋の黄道光は偽の朝の夕暮れ
秋には、東の空に黄道光が約1時間見られます。日の出の約90分前から「朝の夕暮れ」の観測を開始します。
北半球では、8月下旬に空に現れ、9月の分点頃に最大の明るさに達し、11月上旬まで続きます。
南半球では、黄道光は2月下旬に空に現れ、3月分頃に最大の明るさに達し、5月上旬まで続きます。
黄道光の見方
まず、黄道光は非常に淡い光のため、街の明かりから離れた暗い場所を選んで観測しましょう。月を含む明るい光源があると簡単にかき消されてしまいます。空が暗ければ暗いほど、黄道光を見つけやすくなります。空の暗さはボートル・スケールで確認できます。便利なインフォグラフィックでチェックしてみてください。

黄道光を見るのに最適な時期は、春分・秋分の前後です。次の春分は2026年3月20日です。今年の3月の春分は新月の時期と重なり、3月20日の月の照明率はわずか2.5%となるため、黄道光の観察に絶好のタイミングになります。できるだけ暗い空で観察したいなら、月明かりの影響がまったくない3月19日(新月当日)に観察計画を立てましょう。
空で黄道光の見つける方法
天体観測アプリSky Tonightが黄道光を見つけるのに役立ちます。まず、
- メイン画面の上部にある「タイムマシン」セクションで、黄道光を観測したい日付を選択します。次の最適な観測日は、2026年3月19日、3月の春分に最も近い新月の日です。
- その日の日の出と日の入りの時間を確認します。メイン画面で太陽を探すか、アプリの検索機能を使って太陽を見つけてタップし、「イベント」セクションに進んで目に見える通過を確認します。
- 北半球では、日の出時間から90分を引いた時間が黄道光を観察し始める目安です。
- 南半球では、日の入り時間に90分を加えた時間が観測の目安です。
- 見逃したくない場合は、リマインダーを設定しておきましょう。

選択した日時に、暗く晴れた場所に行き、黄道光の方向を見つけます。半球によっては、日の出または日の入りポイントの上に位置するため、このポイントを見つける必要があります。
- 北半球では、太陽の見える通過のセクションで選択した日付の青色の日の出時刻をタップすると、アプリが空の地図に太陽の位置を表示します。
- 南半球では、太陽の見える通過のセクションで選択した日付の青い日没時刻をタップすると、アプリが空の地図に太陽の位置を表示します。
- 画面の右下にある青いコンパスボタンをタップして、実際の空の日の出または日の入りポイントを見つけます。アプリはデバイスの位置情報を使用して、実際の空に合わせて画像を調整します。
- その方向を見て、地平線から伸びる黄道帯の光を見てください。

よくある質問
黄道光は黄道十二星座と関係がありますか?
黄道光は天文学的な現象であり、黄道十二星座は占星術の一部です。両者が「黄道」という言葉を共有している点で関係がありますが、それは黄道光と星座が見られる空の帯を指すためです。黄道星座と黄道十二星座の違いについては、こちらの記事で詳しく確認してください。
黄道塵とは何ですか?
黄道塵は、太陽系の平面付近にある密集した惑星間の塵粒子の円盤です。この塵はパンケーキのような形の雲を形成し、黄道光の源となっています。
偽の夜明けとは何ですか?
偽の夜明けは、秋に見られる黄道光のことです。星空観察以外にも、イスラム教徒にとっては重要な意味を持ち、特定の祈りや断食の時間を決定する際に使われます。
黄道光と対日照の違いは何ですか?
対日照(たいにちしょう)は、黄道光と同様に太陽光が惑星間の塵に反射することで生じますが、太陽の反対側、反太陽点の中心で見えます。対日照は黄道光よりも少し明るい楕円形の斑点で、約8~10度の範囲に広がります。対日照は黄道光よりもさらに見つけにくく、完璧に暗い空と視線をそらした視野の使用が必要です。
真の夜明けとは?
「真の夜明け」(英語:true dawn)はコーランに由来する表現で、地平線に沿って横に広がる淡い白い線を指します。天文学では、夜明け(薄明)は3段階に分けられ、最初に始まるのが天文薄明です。この段階は太陽が地平線の下18°にあるときで、東の空にごくわずかな明るさが現れ始めます。見た目はまだ夜のままに感じられることもありますが、薄明が強まるにつれて最も暗い星から少しずつ見えにくくなっていきます。その後、薄明は航海薄明、さらに市民薄明へと移り、やがて日の出を迎えます。詳しい違いは、薄明の種類ガイドで分かりやすく解説しています。
黄道光とは?(簡単に)
黄道光は、地平線から立ち上る霞んだ光のピラミッドのように見える、美しい天文現象です。春分の頃は日没直後に、秋分の頃は夜明け前に見られます。次に黄道光が見やすいベストタイミングは、2026年3月20日の春分前後です。この不思議な光をしっかり見るために、月明かりのない夜を選び、郊外の暗い場所へ出かけ、無料のSky Tonightアプリを使って探してみましょう。
星空観察の旅がうまくいきますように!
