しし座での珍しい天体ショー:9月19日、月・金星・レグルスが接近
2025年9月19日、珍しい天体の並びが見られます。月、金星、そしてレグルスが明け方の空で接近し、一部の地域では金星が月に隠される「金星食」も起こります。本記事では、観測ポイントや見どころ、撮影のヒントをご紹介します。Sky Tonightアプリを使えば、観測計画も簡単です。
内容
空で見られるもの
9月19日の明け方、月、金星(空で最も明るい惑星)、そしてレグルス(しし座で最も明るい星)が、朝焼けの空で近くに並びます。地域によっては、月が一時的に金星を隠す現象も見られます。さっそく詳しく見ていきましょう。
世界中で見える:月・金星・レグルスの接近

9月19日の朝空には、月、金星、そしてレグルスが接近して並びます。
- 月はわずかに 5%しか照らされていない細い三日月で、新月の3日前にあたります。暗い部分は「地球照」でほんのり光って見えるでしょう。これは地球で反射した太陽光が月を照らすためで、月から見ると地球がほぼ満月に見えることが原因です。
- そのすぐそばで、惑星の金星が-3.9等級の明るさで強烈に輝き、グループの中で最も目立つ存在になります。
- 少し離れた位置には、明るい星レグルスが1.4等級の淡い光の点として見えます。
この3つの天体の並びは、観測地によって少しずつ違って見えます。例えば、アメリカ・ニューヨークでは、月・金星・レグルスの3つがわずか1度以内に集まり、腕を伸ばして指先で覆えるほどの範囲に収まります。一方、オーストラリア・シドニーではやや離れて見え、最大で4度ほどの間隔になります。

特定の地域で見られる現象:金星の月食
世界の一部の地域では、月と金星が単に近づくだけでなく、月が金星の前を通過し、金星を隠す「金星食」が起こります。この現象では、金星が一時的に月の明るい縁に隠れ、しばらくして月の暗い縁から再び姿を現します。

この金星食が見られる地域は、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、北アメリカなどに限られます。これ以外の地域では、金星と月が接近して見えるだけです。もし観測可能な地域にいるなら必見です。なぜなら、次に広い範囲で見られる金星食は2026年6月18日で、このときは北アメリカ中部や南アメリカ北部の一部から観測できます。
観測の日時と場所
このトリプル接近を観察するのに最適なのは、9月19日の早朝、日の出の1~2時間前です。東の空を見上げれば、しし座に並ぶ月・金星・レグルスを確認できます。これらの天体は地平線近くに現れるため、東の空が開けた場所を選ぶことが大切です。
現在の地域での見え方と時刻を確認する方法

月・金星・レグルスが自分の地域でいつ・どこに見えるかを確認するには、Sky Tonightアプリで以下の簡単なステップを試してみましょう:
- アプリを開き、画面下部のカレンダーアイコンをタップしてイベントカレンダーを表示します。
- カレンダー画面で、9月19日を選択します。その日のイベント一覧が表示され、各イベントには現地時間での時刻が青い文字で記載されています。
- イベントカードを開くと詳細を読むことができ、またはターゲットアイコンをタップすると、その時の空で天体がどのように並ぶかをプレビューできます。
これらの操作を視覚的に確認したい場合は、カレンダー機能を実際に使ったチュートリアル動画をご覧ください。
観測方法

- 金星・月・レグルスの3天体は、肉眼でも十分に見えるほど明るいため、明け方の薄明の空でくっきりと確認できます。
- 双眼鏡を使うと観測がより楽しめます。細い三日月や金星をより鮮明に観察でき、レグルスも見つけやすくなります。
- 望遠鏡を使えば最も詳細な観測が可能です。特に、金星が月の縁に隠れたり再び現れたりする正確な瞬間をとらえることができます。
撮影方法
月・金星・レグルスが接近して並ぶ様子は、初心者にも絶好の天体写真チャンスです。DSLRやミラーレスカメラ、さらにはスマートフォンでも、この美しい光景を撮影できます。カメラ設定や機材、テクニックについては、天体写真初心者向けガイドで詳しく解説しています。ここではすぐに試せる簡単なヒントを紹介します:
- 広角レンズを使用して3天体を一緒にフレームに収めましょう。
- 夜明け前に、月または金星にピントを合わせて事前に調整すると、よりシャープに写せます。
- 木々や建物、地平線などの前景を取り入れると、写真に奥行きやスケール感が加わります。
- 三脚を使用して安定させましょう。特に露出時間を長くする場合は必須です。
- マジックアワー(夜明け直前の時間帯)に撮影すると、色彩が豊かでバランスの取れた光になります。

トリプル接近の内訳:1つの朝に起こる7つの現象
9月19日に見られる接近は、月・金星・レグルスの間で同じ朝に一連の「合」と「接近」が起こる結果として生じます。
「合」と「接近」とは?
- 合:2つの天体が同じ赤経(天球上の経度に相当する座標)を共有し、地球から見て近くに並んで見える現象。
- 接近:2つの天体が空での角距離を最小にする瞬間。合の時刻と完全には一致しない場合があります。
月は一年を通して惑星としばしば「合」や「接近」を繰り返し、目を引く天文現象を作り出します。詳しくは、今月に月が出会う惑星についてまとめた記事をご覧ください。
月・金星・レグルスの接近タイムライン
- 金星とレグルスは08:59 GMT(日本時間 17:59)に合となり、0°30′の間隔で並びます。最接近は15:58 GMT(日本時間 0:58、9月20日)で、わずか0°28′まで近づきます。
- 月とレグルスは11:11 GMT(日本時間 20:11)に合となり、1°24′の角距離で接近します。最接近は12:55 GMT(日本時間 21:55)で、わずか1°10′まで近づきます。
- 月と金星は11:46 GMT(日本時間 20:46)に合となり、0°48′の間隔で並びます。最接近は12:30 GMT(日本時間 21:30)で、わずか0°43′まで接近します。
- さらに、一部の地域では月による金星の掩蔽が起こります。10:34 GMT(日本時間 19:34)に始まり、14:26 GMT(日本時間 23:26)に終了します。この間、月が金星の前を通過し、金星が一時的に隠されます。
これらの連続した天文現象が組み合わさり、朝の空にダイナミックで印象的な光景を生み出します。
月・金星・レグルスの三重接近:まとめ
2025年9月19日の早朝、しし座に月・金星・レグルスが集まる美しい天体ショーが見られます。地域によっては、月が金星を一時的に隠す金星の月掩蔽も観測できます。この現象は肉眼でも十分楽しめます。観測に最適な時間は、日の出前の1〜2時間で、三天体が東の低空に並びます。観測地ごとの正確な時刻や見え方は、Sky Tonightアプリで確認してください。
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