日本で「レモン彗星」の見頃:今週は、約1100年に一度太陽系を訪れる彗星を見てみよう
レモン彗星が消える前に見つけましょう!太陽系を訪れる彗星の90%よりも明るく、今週は日没後の暗い空で肉眼でも観測可能ですが、輝きは弱まっています。最適な観測時間と撮影のコツをガイドでご紹介します。まだ見つからない?今夜は無料アプリStar Walk 2でレモン彗星を探してみましょう!
内容
- 2025年レモン彗星 の解説:基礎データと観測
- 2025年10月の見つけ方:週別・完全ガイド
- レモン彗星を撮る方法(初心者ガイド)
- レモン彗星(C/2025 A6)の発見
- まとめ:C/2025 A6(レモン)の要点
2025年レモン彗星 の解説:基礎データと観測
レモン彗星は1月に姿を現し、突如として2025年の「本命彗星」候補になりました。今年は、同等の明るさに達する彗星は他にない見込みです。
貴重なチャンスを逃さないで!北半球でレモン彗星を観測できる期間は10月中旬に始まり、11月中旬まで続きます。この期間、C/2025 A6 は地球に比較的近づき、都市光の少ない月明かりのない暗い場所では肉眼で見える可能性があります。極大光度はハロウィーン前後、10月31日〜11月1日と予想されています。
最も明るくなるのは10月27日〜28日頃と予想されています。とはいえ、「最も明るい時期=最も観測しやすい時期」とは限りません。観測条件は、彗星の地平線上での高さや月の位相にも左右されます。次のセクションでは、主要な地域ごとのベスト観測日を紹介します。あるいは、無料のStar Walk 2アプリを使って、自分の空で彗星がどこにあるかを正確に確認してみましょう。

写真では、レモン彗星は長い尾を引く明るい緑色の筋のように写ります。肉眼では、ぼんやりとした淡い「星」を見るつもりでいてください。双眼鏡なら、中心がやや明るい淡い光斑と、太陽と反対方向へ伸びる短い尾が確認できます。撮影してみたい方はこの下のセクションをチェック—スマホでも撮れます!
もう一つ、今すぐ彗星ハントを始めるべき理由があります。これは本当に一生に一度の出来事。C/2025 A6(レモン)は約1000年に一度しか戻ってこないため、今生きている私たちの誰も二度と見ることはありません。もし肉眼で見つけられなくても、せめて写真に残しておきましょう。ずっと残って、いつかお孫さんに見せられます!

さらに、この彗星は北半球で特に見やすいという、珍しいケースです。C/2025 A6の軌道傾斜角は 143.7°で、惑星とは逆向きに動く逆行軌道。近日点へは北側の逆行経路で近づくため、北半球の観測者に有利になります。
日本でレモン彗星はどこに見れる?
レモン彗星(C/2025 A6)は、10月18日から11月12日ごろまで夕方の空でよく見られます。この期間の明るさは約3.8〜4.8等級です。肉眼では少しぼんやりした星のように見え、双眼鏡や小型望遠鏡を使うと、中心が明るい小さな煙のような姿と、太陽の反対方向に伸びる短い尾を確認できます。
たとえば東京では10月27日、日没後に市民薄明が終わるころ(日本時間17時17分ごろ)、彗星は西の空で高度約29°(手のひら強ほど)に位置しています。その後ゆっくり沈み、19時42分ごろに地平線の下へと消えます。
日本各地でも時間や高度の差は数分・数度程度なので、ほぼ同じ条件で観察できます。
もしその日に観察できなくても、前後の日に再挑戦してみてください。彗星はほぼ同じ時間帯に見えますが、少し暗くなります。11月10日ごろには最高高度が約18°ほどに下がります。
夜空では、10月下旬はうしかい座付近、11月上旬はへびつかい座付近に彗星が見られます。
観察のコツ:西の空が開けた場所で、街明かりの少ないところを選びましょう。日没後しばらくすると、彗星の姿がよりはっきり見えてきます。
2025年10月レモン彗星の明るさ

数字で見てみましょう。天文学で使う等級(見かけの等級)は、値が小さいほど明るいことを意味します。
現在の予報では、10月下旬に4等級前後まで明るくなる見込みです。暗い場所なら肉眼でも確認でき、双眼鏡では容易に見つけられる明るさです。
とはいえ、2025年で最も注目の彗星ではあるものの、NEOWISE や(場合によっては)紫金山・アトラス彗星のような「大彗星」にはならないでしょう。それでも太陽系を訪れる彗星の約9割よりはずっと明るい部類。見逃さないでください!
空で C/2025 A6を探すには、天文アプリの助けが必要です。Star Walk 2やSky Tonightなどを使えば、数秒で位置を特定できます。
お忘れなく:彗星は“予定調和”で動きません。思わぬサプライズに備えましょう。最新情報は私たちのSNSで随時お知らせします。C/2025 A6のアップデートをチェックしてください。
肉眼でレモン彗星は見える?
朗報です。彗星レモンが双眼鏡なしで観測可能になりました!
10月20日ごろから、世界各地で肉眼で確認できる明るさになったという報告が上がっています。観測者の中には C/2025 A6 が約3.6等級に達したと見積もる人もいますが、より信頼できるCOBSのデータでは4等級に近いと示唆されています。
とはいえ、簡単なターゲットではありません。非常に暗く澄んだ空、街明かりから遠い場所が必要です。都市部では機材なしに見えることはなく、双眼鏡があると見つけやすくなります。暗い天体を探す前に、目が暗さに順応するよう少なくとも30分は暗闇に慣らしてください。(星空観察アプリのナイトモードやレッドモードをオンにするのもお忘れなく。)
今週がレモン彗星を見る絶好のチャンスです。10月27〜28日に最大光度に達した後、彗星は次第に暗くなり、地平線に近づいていきます。みなさんの成果もぜひ見せてください—彗星の写真や感想はSNSでシェアしてください。
2025年10月にレモン彗星はどこで見れる?
レモン彗星は現在、北半球では夕方も明け方も観測可能です。中緯度〜高緯度ほど条件が良く、特に中緯度では10月の短期間は周極星となり、地平線下に沈まない時間帯が生じます。

10月下旬〜11月初めにかけて4等級前後に達する可能性があり、その後は急速に減光すると見込まれます。11月下旬には多くの北半球地域で明るい夕暮れの低空に位置し、実質的に観測は難しくなります。
南半球では現時点では条件が悪いものの、11月には見えるようになる見込みです。
レモン彗星の方角と軌道

現在、彗星はへび座の星々を背景に、夕方の空で見えています。その後、ヘラクレス座とへびつかい座といった南の星座へと移動していきます。11月中旬ごろになると、彗星は夕暮れの薄明に溶け込み、観測できなくなります。
2025年10月の見つけ方:週別・完全ガイド
ここでは、レモン彗星の詳しい経路を紹介します。かんたんに探したいなら、無料のStar Walk 2アプリを開き、C/2025 A6 (Lemmon)を検索。画面上の矢印に従うだけで、いまの空で彗星の位置へ案内してくれます。
10月28日〜11月3日
C/2025 A6(Lemmon)は現地時間の19〜20時ごろ、西の地平線のやや低い位置に見えます。
目印として北斗七星の柄を彗星の方向のおおまかなガイドに使いましょう。最も近い明るい星はウヌカルハイ(2.6等)で、彗星の西約9°(腕を伸ばしたこぶし一つ分ほど)の位置にあります。アークトゥルスも役立ちます。西のごく低い空にある明るい星で、彗星から約26°の位置です。レモン彗星はアークトゥルスのやや南側の上方(月の方向)に位置します。週が進むにつれて、彗星は暗くなり、地平線により近い位置にとどまります。
レモン彗星は、10月30日にヘラクレス座から動き、10月31日にはへびつかい座へ入ります。10月31日ごろからは南半球の夕空にも現れます。離角は約33°です。
¹離角:天体が太陽からどれだけ離れて見えるかを角度で表したもの。数値が大きいほど太陽光の影響が少なく、観測しやすくなります。
11月4日〜10日
レモン彗星は夕方の空、へびつかい座に見えます。日ごとに地平線へ近づき、ゆるやかに減光。11月5日は満月ですが、幸い彗星とは空の反対側に位置します。11月9日以降は減光が急速に進む見込み。太陽離角は約30°。
11月11日〜17日
レモン彗星は夕方早い時間、南西の超低空のへびつかい座付近に見えます。明るい夕焼けに飲まれるように、次第に見えにくくなります。太陽離角 約24°。
レモン彗星を撮る方法(初心者ガイド)

彗星は長くはとどまりません。でも写真は残せます。レモン彗星は天体写真の練習にうってつけ。2025年で最も明るい彗星になる見込みで、暗い空なら数度に伸びる尾も期待でき、撮影のしがいがあります。
彗星を撮るときのポイントは2つ:
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彗星は空を動きます。数十秒の短い露出では動きは目立ちませんが、長時間連写やスタックでは彗星の核が恒星に対してわずかにずれることがあります。
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暗い空が重要です。光害や月明かりはコントラストを落とします。最良の結果にはできるだけ暗い条件を選びましょう。無料のStar Walk 2アプリを使えば、彗星の位置や高度、空が最も暗くなる時間を確認できます。
次に、三脚に固定したスマートフォンから、赤道儀(スター・トラッカー)付きカメラ、さらには望遠鏡まで、機材別の撮り方を見ていきましょう。

スマートフォンで撮影する
スマートフォンだけで撮影すると、レモン彗星は淡くぼやけた光の斑点として現れ、うっすらと尾が見える程度かもしれません。それでも、ぜひ試してみる価値があります!私たちのInstagramページでは、iPhone 15 Proで撮影されたレモン彗星の写真を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
肉眼でレモン彗星が見えなくても、写真には写ることがあります。Star Walk 2で空の中の彗星の位置を確認し、適切な設定で撮影すればOK。やり方は次のとおりです。
- 三脚または安定した台にスマホを固定する。
- ナイトモードや天体撮影モード(対応機種)をオンにする。
お使いの機種にプロ/詳細設定モードがある場合は、手動で調整しましょう。簡単な設定ガイド:
- ISO(感度):1600〜3200を目安に。ISOを上げると明るくなる一方、ノイズも増えます。
- 露出(シャッター速度):5〜10秒に設定。長くし過ぎると恒星や彗星が流れてしまいます。
- 絞り(F値):スマホでは固定が一般的。値が小さい(例:f/1.8)ほど光を多く取り込めます。
- ズーム:基本は1×または2×。0.5×の超広角では彗星が小さ過ぎます。2×なら周囲の空も入れつつ彗星を強調可能。3×以上に対応していれば、よりクローズアップを試してみましょう。
カメラ+三脚で撮る
スマホ撮影から一歩進んだ基本セットです。星景の広角カットから、彗星と短い尾をやや大きく捉えたカットまで狙えます。
- レンズ: 風景には 14–35mm、彗星を大きく撮るなら85–135mm
- ISO:1600–3200
- 露出: 広角は 10–20秒、短めの望遠は恒星の流れを避けるため 5–10秒
- 絞り: できるだけ開く(f/2–f/2.8)
- ピント:マニュアルで、彗星付近の明るい星に合わせる
ヒント:Star Walk 2のARモードを使うと、彗星と木・山・建物などのランドマークを画面上で重ねて、印象的な構図に合わせやすくなります。
カメラ+三脚+望遠レンズ/望遠鏡で撮る
彗星の核を大きく、尾の一部までクローズアップできます。追尾なしの場合は露出を短く抑える必要があります。
- 焦点距離:200–500mmの望遠レンズ、または口径80–100mm程度の小型望遠鏡
- ISO:1600–3200
- 露出:1–5秒(像の流れ/にじみを防ぐため)
- 絞り: 望遠鏡では一般的に f/4–f/5 前後
この設定でも鋭い彗星核と淡い尾の気配が写せます。より細部を引き出すには、短い露出のコマを多数撮影し、後処理でスタックしましょう。
カメラ+三脚+赤道儀で撮る
赤道儀は天球の動きに追尾するため、長時間露出が可能になり、彗星の尾の淡いディテールを引き出せます。
- レンズ:50–200mm
- ISO:800–1600
- 露出: 焦点距離に応じて 30–120秒
- 絞り:f/2–f/4
- テクニック:二重スタックを作る(恒星合わせと彗星合わせの2種類)。後処理で合成して、星も彗星も両方シャープに仕上げる。
カメラ+三脚+赤道儀+望遠レンズ/望遠鏡で撮る
最も高精細な結果が得られ、尾の微細構造や、イオンテール/ダストテールの微妙な色の違いまで捉えられます。
- 焦点距離:300–500mm の望遠レンズ、または小型屈折望遠鏡
- ISO:800–1600
- 露出: 1コマ 20–60秒
- 絞り:f/4–f/5(望遠鏡では一般的)
- スタッキング:彗星に合わせてフレームを位置合わせし、核をクリアに保つ。
レモン彗星(C/2025 A6)の発見
マウント・レモン・サーベイは2025年1月3日、21.5等級でこの天体を初めて記録しました。非常に暗かったため、当初は小惑星状天体と考えられていました。後に、2024年11月12日に撮影されたPan-STARRSのプレカバリー画像が同定されました。追観測では濃いコマ(約2.2秒角)と短い尾(約2秒角、2025年2月21日に確認)が判明し、彗星であることが確定しました。発見から約1か月半後、本天体はC/2025 A6 (Lemmon)として公表されました。C/2025 A6(レモン)は力学的に古い彗星で、過去にも太陽近くを通過しています。
F.A.Q:レモン彗星
いつ見られる?
レモン彗星は北半球ではすでに夕方の空で観測可能です。月の間ずっと追え、暗い空なら肉眼で見える可能性もありますが、双眼鏡を使うとより確実に楽しめます。
見るのに最適な日時と方角は?
レモン彗星の最も観測に適した時期は、2025年10月27日ごろです。このとき彗星は最大光度に達し、夕暮れ時でも西の地平線の上で比較的高い位置に見えるため、観測条件が非常に良好になります。
どれくらいの期間見える?
レモン彗星は11月中旬ごろまで双眼鏡で観測可能です。ただし11月10日ごろからは急速に減光する見込みのため、10月末の極大期に観測するのがおすすめです。
双眼鏡なしでも見えますか?
はい。肉眼でもレモン彗星は11月上旬ごろまで見られますが、街明かりから離れた完全に暗い空でのみ可能です。双眼鏡を使うとさらに見つけやすくなるので、今夜は双眼鏡を手に彗星ハンティングに出かけましょう!夕方は西の地平線の方向を見て、明るい中心と短い尾をもつぼんやりした星のような天体を探してください。
月はレモン彗星の見え方に影響しますか?
影響します。月は強い光源のため、淡い天体の観測を妨げます。レモン彗星を狙うなら月のない夜がおすすめです。
- 新月:10月21日
- 上弦:10月29日
- 満月:11月5日(幸い、この夜は彗星と空の反対側に位置)
- 下弦:11月14日
詳しくは月相カレンダーをご覧ください。
太陽はレモン彗星(C/2025 A6)に影響した?
レモン彗星は過去にも太陽の近くを通過しており、当時の公転周期はおよそ1350年でした。つまり前回人類が見たのは千年以上前ということになります。 ただし、今回の太陽系通過で公転周期が変化しました(彗星では珍しくない現象です)。4月16日、同彗星は木星から約3.485億km(2.166億マイル)まで接近。木星の重力がレモン彗星の軌道エネルギーをわずかに奪い、公転周期は約200年短縮、現在は約1154年と見積もられています。
レモン彗星を見つけるのに役立つアプリは?
Sky TonightとStar Walk 2は、あなたの現在地から彗星や天体の正確な位置をリアルタイムに表示できる無料アプリです。スマホを空に向けるだけで、恒星・星座・惑星・彗星(レモン彗星、SWAN 彗星、3I/ATLAS など)、人工衛星、深宇宙天体を簡単に特定できます。
どちらも使いやすく、レモン彗星の位置特定に大いに役立ちます。主な違いは、Sky Tonightがアマチュア天文家向けの高度な機能を多く備える一方、Star Walk 2は音楽と美しいビジュアルによるリラックスした星空体験を重視している点です。さらに、Sky Tonight はすべての天体を無料で利用可能なのに対し、Star Walk 2 は彗星などの小さな太陽系天体の表示に追加購入が必要です。
まとめ:C/2025 A6(レモン)の要点
- タイプ:力学的に古い長周期彗星
- 公転周期:1,350年(進入時)/1,154年(離脱時)
- 近日点:2025年11月8日、0.53 AU
- 地球最接近:2025年10月21日、0.60 AU
- 予想最大光度:4等級(双眼鏡で容易、条件が極めて良ければ肉眼可);近日点前後(2025年10月27日ごろ)
- 観測好機:北半球の10月下旬〜11月上旬
レモン彗星は、2025年10月下旬〜11月上旬に絶好の観測対象です。現在すでに4等級前後で、双眼鏡で容易に見え、十分に暗い空なら肉眼でも確認できます。北半球では先に好条件となり、南半球では11月中旬から見え始めます。自分の空での最新の位置は、無料の Star Walk 2 アプリで確認してください。
