2025年の彗星情報:次の彗星を秋に見よう!

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彗星をずっと見てみたいと思っていたなら、今が絶好のチャンスです!2025年には少なくとも2つの彗星が双眼鏡で観察可能になります。Sky Tonightアプリを使えば、ご自身の場所から見える彗星を簡単に見つけられます。天が私たちに用意している驚きを一緒に探しましょう!

内容

SWAN彗星(C/2025 F2):宇宙で崩壊?

  • 推定崩壊日:2025年4月16日
  • 近日点通過:2025年5月1日
  • 地球最接近:2025年5月1日
  • 観測予測C/2025 F2 (SWAN)は、近日点で太陽からわずか0.33 AUまで接近し(=水星軌道内部)、5等級まで明るくなると予測されていました。そのため双眼鏡で容易に観察できるはずでしたが、発見からわずか3週間後、世界中の観測者から急激かつ予期せぬ減光が報告され始めました。私たちが記事更新に使用しているギデオン・ファン・ビューテーネン氏のデータによると、この彗星は現在崩壊したと考えられています。現在の彗星の様子を見たい方は、日の出直前に北東の低空で双眼鏡や望遠鏡を使ってSWAN彗星を探してみてください。すべての彗星に言えることですが、SWANも予測不可能な存在です—近日点通過を生き延びる可能性はわずかに残っており、その場合の明るさは依然として不確定です。
  • 説明:彗星C/2025 F2 (SWAN)は、2025年3月23日SOHOのSWAN探査機の画像から発見されました。この彗星は力学的に古い彗星と考えられており、これまでに太陽の近くを何度も通過している可能性があります。核の大きさはかなり小さく、直径2.5km未満と推定されています。興味深いのは、発見当時すでに10等級ほどの明るさがあり、これは新発見の彗星としては珍しいことです。それなのに、なぜもっと早く見つからなかったのでしょうか?いくつかの理由が考えられます。たとえば、最近急激な増光を起こした可能性や、軌道の関係でこれまでの観測では見つけにくかった可能性があります。今すぐこの彗星を探してみたい方は、Sky Tonightアプリを使えば、現在地の空における正確な位置がすぐにわかります。

レモン彗星(C/2025 A6)

  • 近日点:2025年11月8日(~8等級)
  • 地球への最接近:2025年10月21日(~8等級)
  • 観測場所:北半球
  • 観測予測:2025年10月末、レモン彗星は地球から約0.6天文単位(AU)の距離を通過し、北半球の観測者にとって夕方の空で見やすい位置になります。10月から11月にかけて、彗星の等級は約8等級に達し、双眼鏡で観測可能になる見込みです。また、近日点付近で彗星が急激に明るくなる傾向があるため、レモン彗星も予想以上に明るくなり、3等級程度に達する可能性もあります。期待しましょう!
  • 説明:レモン彗星は、力学的に古い彗星であり、これまでに何度も太陽へ接近していると考えられています。2025年1月3日、アメリカ・アリゾナ州のマウント・レモン天文台の天文学者によって発見されました。最初、この天体はCCNG6P2という仮符号が付けられていましたが、約1.5か月後に彗星であることが確認され、レモン彗星(C/2025 A6)と命名されました。

クリステンセン彗星(210P)

  • 近日点:2025年11月22日(8.3等級)
  • 地球への最接近:2025年11月8日(8.1等級)
  • 観測場所:北半球
  • 観測予測:2025年11月、クリステンセン彗星は双眼鏡で観測できるかもしれません。
  • 説明:クリステンセン彗星は、2003年5月26日にエリック・クリステンセンがカタリナ・スカイサーベイの画像から発見した木星族周期彗星です。彗星の公転周期は5.7年で、核の直径は約1.7kmです。

ショーマス彗星(24P)

  • 近日点:2026年1月8日(8.5等級)
  • 地球への最接近:2026年1月4日(8.5等級)
  • 観測場所:両半球
  • 観測予測:ショーマス彗星は2026年初めに最も明るくなり、双眼鏡で観測できるかもしれません。それ以前には、2025年11月8日から11日にかけて、空で有名なプレセペ星団(M44)に接近し、写真撮影の好機となるでしょう。
  • 説明:ショーマス彗星は、1911年12月1日にフランスのニースで天文学者アレクサンドル・ショーマスによって発見された周期彗星です。公転周期は8.18年で、核の直径は約2.6kmと推定されています。

フィエチジョシュ彗星(C/2024 E1)

  • 近日点:2026年1月20日(5.2等級)
  • 地球への最接近:2026年2月17日(6.2等級)
  • 観測場所:近日点前は北半球、近日点後は南半球
  • 観測予測:2025年秋には、北半球の観測者が小型望遠鏡や双眼鏡で観測できるかもしれません。その後、彗星が近日点に近づくと太陽に接近しすぎて観測が難しくなります。近日点通過後は南半球からの観測が最適となり、双眼鏡で見える可能性があります。
  • 説明:フィエチジョシュ彗星は、2024年3月3日にポーランドの天文学者カツペル・ヴィエルツホスによってマウントレモン・サーベイの画像から発見されました。彗星の公転周期はまだ確定されていません。

Sky Tonightで彗星の見つけ方

彗星はかすかでぼやけていて検出が難しい天体であるため、彗星の位置を確実に把握しておくことが最善です。Sky Tonightアプリを使用すると、空の明るい彗星をすばやく見つけることができます。見つけ方は次のとおりです。

  • 画面下部の拡大鏡アイコンをタップします。
  • 検索フィールドに、彗星の名前または名称を入力します。
  • 検索結果で彗星を見つけ、その名前の横にある青いターゲットのアイコンをタップします。
  • アプリは空の彗星の現在位置を表示します。
  • デバイスを空に向け、白い矢印に従って彗星を見つけます。

また、検索結果で彗星の名前をタップし、イベントのタブに移動して、彗星に関連するイベント(近日点と地球への最接近)を表示することもできます。イベントの横にある青いターゲットのアイコンをタップして、近日点または最接近時の彗星の位置を確認します。

次に地球から見える彗星:まとめ

次に近日点に到達する彗星はレモン彗星(C/2025 A6)で、10月下旬には北半球で双眼鏡でも見やすくなると予想されています。今後の彗星に関する最新情報は、引き続きお届けしていきますのでお楽しみに!

この記事を書くにあたり、彗星観測データベースTheSkyLive、天文学者Gideon van Buitenen吉田誠一のデータを参考にしました。

テキストクレジット:
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