レモン彗星(C/2019 U6)の輝きが頂点に達します
明るい彗星はいつも天体観測ファンの注目を集めます。2020年6月にレモン彗星(C/2019 U6)は輝きが頂点に達し、肉眼でも見えるようになります。いつ、どこで、どのようにすれば夜空でこの彗星を観測できるのかを、これからご説明します。
レモン彗星(C/2019 U6)についてこれまでに分かっていることは?
レモン彗星は、C/2019 U6(Lemmon)と表記される彗星で、放物線に近い形の軌道が特徴です。2019年10月31日にレモン山サーベイが発見しました。発見当初は小惑星(A/2019 U6) と分類されましたが、後に小惑星センター(MPC)が彗星であることは確かだと発表したことによって、C/2019 U6(Lemmon)と再指定されました。
彗星C/2019 U6(Lemmon)の動きの追跡には、天体観測アプリStar Walk 2が便利です。このアプリには、レモン彗星の現在位置に関する正確な詳細情報が掲載されています。
肉眼でレモン彗星(C/2019 U6)を見られるでしょうか?
予備計算によると、レモン彗星は2020年6月に明るさが強まる可能性があるとされています。この予測が正しければ、6月下旬にこの彗星の等級はおよそ5.5に達します。つまり、小さな双眼鏡でも観測可能になり、雲のない暗い夜空では肉眼でも見えるはずです。
レモン彗星(C/2019 U6) は、2020年6月18日に太陽に最接近します、近日点の距離は太陽から0.91AU(136,000,000km)です。そして、数日後の6月22日には、輝きが最も強くなり(5.1~5.2等級)、観測条件が良ければ肉眼でも見えるようになります。6月29日には、地球に最接近し、地球との最短距離は0.82 AU(123,000,000km)になります。
発見方法は?
現在、彗星C/2019 U6(Lemmon)はうみへび座の近くにあり、南半球からよく見えます。彗星観測データベース(COBS)によると、現在の明るさは6.5等級で、うみへび座の最も明るい恒星アルファルド(Alpha Hydrae)のかなり近くにあります。
レモン彗星は、6月の終わり頃から北半球の空でも見えるようになります。7月の始めには北半球からの観測がしやすくなりますが、太陽や地球から離れていくので、明るさが衰え始めます。7月1日には、ろくぶんぎ座の恒星βとδの間に位置し、日没直後の夕方に6等級の明るさで見えるはずです。7月8日にはしし座のあたりを通過します。
レモン彗星を観測するには、雲のない暗い夜空と街灯から遠く離れた場所が必要です。Star Walk 2を使えば、この彗星が空のどの位置にあるかが分かります。