夜明け前に輝く金星と見えにくい水星:11月25日に見る方法

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早起きの準備をしましょう。2025年11月25日、金星と水星夜明け前の南東の地平線上に姿を現し、てんびん座の中で優雅なペアを作ります。金星はまぶしく輝き、水星はそのすぐ上にあります。少し淡いものの双眼鏡で観察可能です。無料アプリ Star Walk 2を使えば、あなたの空でこの2つの惑星を簡単に見つけられます。続いて、詳しい観察情報をチェックしましょう!

内容

2025年11月25日の金星と水星:情報

  • 観察に最適な時間:11月25日、日の出の30〜40分前
  • 方角:南東
  • 見かけの間隔:約1〜2度
  • 星座:てんびん座
  • 明るさ:金星 −3.9等(見かけの明るさ −0.8等*)、水星 2.2等(見かけの明るさ 4.5等)
  • 高度:地平線から最大約10度

*惑星の実際の等級と、観測者から見た見かけの明るさが異なるのは、大気差(大気消光)によるものです。地平線近くの厚い空気の層が光を吸収・散乱するため、天体が実際より暗く見えます。

水星と金星の朝の接近:完全観察ガイド

11月25日の日の出直前、内惑星である金星と水星が太陽から約10°離れた位置に昇ります。2つの惑星は南東の空てんびん座の中に1〜2度の間隔で並びます。これは、腕を伸ばして見たときの小指の幅ほどです。

見える光景

水星2.2等級ですが、地平線近くでは大気差(大気消光)によって暗くなり、4.5等級ほどに見えます。北半球では水星のほうが先に昇り、わずかに高い位置に見えますが、それでも肉眼で捉えるのは難しい天体です。双眼鏡を使えば、地平線の上に淡く小さな点として見つけられます。ただし、決して太陽の方向に双眼鏡を向けないでください! 目に重大な損傷を与える危険があります。

金星は−3.9等級(地平線付近では約−0.8等)と圧倒的に明るく、水星のすぐ下で目印として非常に見つけやすい天体です。金星は日中に入っても見える一方、水星は日の出20〜30分前までしか観察できず、太陽光の中にすぐに紛れてしまいます。

2025年11月25日の金星と水星(北半球・南半球の両方から見た様子)。
2025年11月25日の金星と水星(北半球・南半球の両方から見た様子)。

最接近する水星と金星

11月25日、2つの惑星は最接近を迎え、夜明け前の空で横に並んで見えます。

  • 最接近:00:34 GMT/日本時間 09:34(角距離 0°58′)
  • :04:51 GMT/日本時間 13:51(角距離 1°40′)

注意:これらの時刻に惑星が地平線上に見えているとは限りません。しかし、実際に昇ってくる頃には、依然として非常に近い配置で見えるはずです。

詳しく読む: 惑星の合とは?

見える時間と方角

11月25日は、日の出の30〜40分前に、南東の地平線近くを観察してみましょう。水星はすぐに太陽光の中に消えてしまいますが、金星は明るいため、夜明けの空でも肉眼でしばらく見え続けます

中緯度の北半球では水星がかなり見つけにくいかもしれませんが、南半球では両方の惑星がより高い位置に見え、観察しやすくなります。2つの惑星は地平線近くにとどまるため、屋上・海辺・開けた野原など、地平線がしっかり見える場所を選んで観察しましょう。

地域ごとの正確な観察時刻は、Star Walk 2アプリで確認できます。検索で金星を選び、「タイムマシン」機能を使えば、指定した日にいつ地平線上に昇るかがすぐにわかります。

ヒント:もし11月25日に地平線付近が雲に覆われていても大丈夫!翌朝以降も、しばらくの間は両惑星が近い位置に並んで見えます。

Star Walk 2で金星&水星を探す(30秒ガイド)

金星と水星:11月25日
Star Walk 2 アプリを使って、あなたの頭上の空で金星と水星を見つけよう。
  • Star Walk 2を開き、位置情報へのアクセスを許可します。これでアプリがあなたの場所に合わせて星図を調整します。
  • 検索アイコンをタップして「金星」と入力します。
  • 金星をタップすると、今どこにあるかが表示されます。
  • 右上の時計アイコン(タイムマシン)をタップし、日付を2025年11月25日に設定。 太陽が地平線下にあり、金星が地平線上に昇っている時刻まで時間を調整します。そこがあなたのベスト観察時間です

外に出たら、もう一度アプリを開いて金星を選択。スマホを空に向けると、星図がリアルタイムであなたの視界に合わせて動きます。画面の矢印に従えば、金星がどこにいるか一目でわかります。金星を見つけたら、周辺を双眼鏡でゆっくり探してみてください。その近くに水星があります。

金星と水星が見えましたか? 素晴らしい!次は他の惑星も見つけてみましょう。Star Walk 2のプラネットウォーク機能を使えば、見えるすべての惑星を数秒で探せます。惑星が並ぶイベントでは特に便利で、探す時間を減らし、観察時間を増やせます。Planet Walkについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

Star Walk 2で惑星を探検しよう!

ボーナス:オリオン座も見えます

金星と水星の接近だけでも十分見ごたえがありますが、まだほかにも楽しめる天体があります!日の出前に西の空を見ると、オリオン座がゆっくりと地平線へ沈んでいく様子が見えるかもしれません。金星と水星が夜明けの空を照らすころ、オリオン座は夜の終わりを告げるように西の空へと下っていきます

金星と水星の接近を観察し撮影する方法

  • 肉眼で:

金星は夜明けの空で金色の明るい点としてすぐに見つかります。水星はずっと淡いですが、よく目を凝らせば見えることも。まずは金星を目印にしましょう。

  • 双眼鏡で:

金星ははっきり見え、水星も金星のすぐ下(南半球では上)に淡く見える可能性があります。2つの惑星は双眼鏡の1つの視野に収まります。腕を固定したり三脚を使って、視界を安定させるとよいでしょう。

  • 望遠鏡で:

小型望遠鏡(40〜60倍)なら、金星の三日月形の位相が見え、条件が良ければ水星の小さな円盤もちらりと確認できます。

  • カメラで:

カメラを三脚に固定し、露出を1/100〜1/250秒、ISOを200〜400に設定します。柔らかな夜明け色の背景に、金星と水星が繊細な光点として写るでしょう。

  • スマートフォンで:

スマホをしっかり固定し、ISOを200〜400、露出は1/100秒以下に設定して白飛びを防ぎます。地平線近くに2つの明るい点として写るはずです。

見逃せない理由

11月25日の金星と水星の接近は、2つの内惑星がそろって輝く様子を観察できる貴重なチャンスです。普段、この2つの惑星は太陽のまぶしさに隠れて見えにくいのですが、この日は夜明け前に十分な高度まで昇り、観察しやすくなります。特に、明るい金星を“道しるべ”にして水星を探せるため、水星観察の絶好の機会となります。

美しく写真映えする光景で、北半球・南半球のどちらからでも観察可能。特に南半球ではより良い眺めとなるでしょう。科学的な興味と美しさが融合する、まさに一瞬の天文ショーです。

2025年11月25日の金星と水星:まとめ

11月25日は、日の出の30〜40分前南東の地平線を見てみましょう。肉眼で明るい金星が見え、双眼鏡を使えばその近くにかすかな水星も見つけられます。地平線がよく見える場所を選び、無料アプリ Star Walk 2 を使って惑星の位置を確認するとスムーズです。

楽しい惑星観察を!

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