巨大な小惑星が地球に接近!

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3月21日、小惑星「2001 FO32」が地球に接近します。この記事では、この「潜在的に危険」な宇宙石について解説します。

潜在的に危険な小惑星についての動画もご覧ください。

2001 FO32とはどのような種類の小惑星でしょう?

小惑星「231937(2001 FO32)」は、ゴールデン・ゲート・ブリッジやエッフェル塔の3倍の長さに相当する、直径がおよそ1.1キロのアポロ小惑星です。アポロ小惑星は、地球近傍小惑星の宇宙石で構成されています。このグループは、最初に発見された1862アポロにちなんで名付けられました。これは、1万個以上の小惑星とともに、地球近傍小惑星として最も多く観測されたグループに分類されます。

2001 FO32は、直径が525キロの大型惑星ベストに比べるとかなり小さな惑星といえますが、これまでに観測された97%の惑星よりも大きなものとされています。また、地球に対して秒速34.4キロで移動する、地球近傍小惑星のなかでは最も速いものとされています。つまり、音よりも100倍速い速度で移動しています!

2001 FO32はどれくらい地球に接近しますか?

その名前からも推測されるとおり、2001 FO32は新たに発見されたものではなく、2001年に初めて発見された、軌道周期が2.2年の小惑星です。今年は、今後200年のなかで最も接近する年とされ、地球とは0.013 AUまたは5 LD(1 LDは約40万キロ)まで接近します。次に接近する年は、2052年、2103年、2134年、2185年です。

2001 FO32は危険でしょうか?

2001 FO32は比較的大きく、地球との最小交差距離が0.05 AU以下となるため、「潜在的に危険」とされています(潜在的に危険な惑星の一覧はこちらをご覧ください)。つまりこの惑星には、衝突したときに大きな被害をもたらすという特性があります。しかし、2001 FO32が脅威をもたらすことはないため、心配する必要はありません。その軌道は十分に計算されており、天文学者たちは地球からどれくらい離れて通過するのか的確に理解しています。

2001 FO32をとらえるには?

2001 FO32は、地球には3月21日の16:03(グリニッジ標準時)に最接近し、マグニチュードは11.7に到達します。残念ながら、肉眼でとらえられるほど大きなものではありませんが、対物レンズ口径が8インチ(20センチ)以上の望遠鏡であれば、簡単に見つけることができます。この小惑星は移動速度がとても速いため、空を動く様子がリアルタイムでとらえられるかもしれません。

この小惑星の位置を夜空で的確にとらえるには、Star Walk 2アプリをご使用ください。アプリを開き、画面下の左隅にある「拡大」アイコンをタップし、検索欄に「2001 FO32」と入力してください。次に、検索結果をタップすると、小惑星の的確な位置がわかります。こちらを使用して、望遠鏡のピントを合わせてください。

望遠鏡をお持ちの方であれば、2021年で最大級、かつ最速の小惑星をぜひご覧ください。きっとお楽しみいただけます!

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