月と3つの惑星の稀な「コンジャンクション」

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あと少しで、月、水星、木星、土星が美しく並ぶ様子を目にするチャンスがやって来ます。今回の記事では、この稀な「クアドルプル コンジャンクション」の観測方法について説明します。

コンジャンクションとは?

コンジャンクション(合)とは、天文学で地球から見て2つの天体が接近しているような状態を指します。細かく言いうと、合の関係にある天体は、赤経または黄経が同じです。

専門用語学的には正しくないのですが、3つまたは4つの天体が集まっている状態を「トリプル コンジャンクション」、「クアドルプル コンジャンクション」と呼ばれることがよくあるので、便宜上、今回扱う現象を「クアドルプル コンジャンクション」と記すことにします。

2021年に「クアドルプル コンジャンクション」を観測する方法は?

3月9日から3月11日にかけて、月、水星、木星、土星が山羊座の中に集合します。天文学で言われるコンジャクション(合)が3日間のうち3回も起こるので、見どころ豊富な天文イベントです。

最初に、3月9日(22:58 GMT)に月と土星のコンジャンクションが起こり、周期26日目の月が輪のある惑星の南3°40'の場所を通過します。月は等級-10.4の明るさで輝きますが、土星の等級は0.6なので暗く見えます。

2回目は3月10日で、月が木星に接近します。このコンジャンクションが起こる時間は15:37 GMTで、月が等級-9.9の明るさで木星の南4°02'の場所を通過します。ガスで出来た巨大惑星の木星のその時の等級は-2.0です。

最後の3回目は月と水星のコンジャンクションで、3月11日(01:02 GMT)に起こります。月が水星の南3°41'の場所を通過します。月の等級は-9.6、水星の等級は0.0です。

この3つのコンジャクションが起こる期間中、月も3つの惑星も肉眼で簡単に見つけられます。しかし、双眼鏡があればさらに詳しく観測でき、例えば、木星の4つのガリレオ衛星も見えます。

月と惑星の「クアドルプル コンジャンクション」を観測するには、まず地球の自然衛星である月を見つけ、その付近で水星、木星、土星を探してください。この3つの惑星の判別には、Star Walk 2アプリが便利です。アプリを開いて端末を空に向ければ、その方向にある天体の名前が表示されます。

雲のない状態で皆さんが観測できることを願っています。スカイウォッチをお楽しみください!

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