日食の撮影方法:最適な設定と撮影のコツ

~32 min

日食では、昼間の空が薄明のように暗くなり、真珠色に輝く太陽のコロナが現れ、一生に一度ともいえるドラマチックな写真を撮影できます。一方で、保護されていない光学機器を太陽に向けると、目や機材を損傷するおそれがあります。日食撮影が通常の風景撮影や夜空の撮影と異なるのはそのためです。事前に撮影場所を選び、カメラ操作を練習し、日食が始まる前にフィルターの正しい着脱手順を身につけておく必要があります。

2026年8月12日の皆既日食を撮影する場合でも、別の日食に備える場合でも、このガイドでは、iPhoneやAndroidスマートフォン、デジタル一眼レフ/ミラーレスカメラ、スマート望遠鏡を使って日食を安全に撮影する方法を解説します。実用的な日食撮影の設定、レンズの選び方、構図のアイデアに加え、Seestar S30 Pro(米国ストアEUストアグローバルストア)を使った撮影手順も紹介します。

Sky Tonightを使えば、現在地での日食の各段階、太陽の高度と方角、現在地が皆既帯の内側にあるかどうかを確認できます。

目次

日食撮影クイックガイド

特に重要なポイントをまとめました。

  • 部分食の全時間帯と金環日食の全時間帯では、レンズ前面に取り付ける適切な太陽フィルターを使用してください
  • フィルターを外せるのは皆既食中のみです。皆既帯の内側にいて、太陽の明るい表面が完全に隠れたことを確認してから外してください。
  • 雰囲気や風景を撮るならスマートフォン、太陽を大きく写すなら200~600mmのレンズ、自動導入・追尾を利用するならスマート望遠鏡がおすすめです。
  • 可能であればRAW形式で撮影してください。
  • マニュアルフォーカスを使用し、太陽の縁または見えている黒点でピントを確認してください。
  • 皆既食中は、内側と外側のコロナで明るさが大きく異なるため、露出ブラケット撮影を行ってください。
  • 日食当日までに練習してください。 皆既食は短いため、慣れない操作を覚える時間はありません。
  • 地平線周辺を事前に確認してください。 日の出や日没に近い時間に起こる日食では特に重要です。

日食撮影の設定早見表

日食の段階太陽フィルター設定の目安おすすめの被写体
部分食全時間帯で装着ISO 100、f/8~f/11、1/500~1/4000秒欠けた太陽、黒点、連続写真
金環食全時間帯で装着ISO 100、f/8~f/11、1/500~1/4000秒リング・オブ・ファイア、日食の連続写真
ベイリービーズとダイヤモンドリング皆既食が始まるまで装着し、太陽光が戻る前に再装着連写と高速の露出ブラケットを使用光の粒、最後に差し込む太陽光
皆既食皆既食中のみ外すISO 100~800、f/5.6~f/11、約1/1000秒~1秒以上コロナ、プロミネンス、月の暗い円盤
広角の風景部分食中は太陽にフィルターを使用風景に合わせて露出し、ブラケット撮影ランドマーク、人、薄明の色彩

これらはあくまで設定の目安であり、すべての状況に当てはまるわけではありません。適正露出は、フィルター、カメラ、焦点距離、もや、雲、太陽の高度によって変わります。

日食撮影の安全対策:最優先はフィルター

日食撮影用にカメラレンズへ取り付けた太陽フィルター
日食の部分食中にカメラを太陽へ向ける前に、太陽フィルターでカメラレンズの前面を確実に覆います。

フィルターを装着していないカメラ、望遠鏡、双眼鏡、スマートフォンを、欠けていない太陽や部分食中の太陽へ直接向けないでください。

信頼できるメーカーが製造した、カメラまたは望遠鏡用の太陽フィルターを使用してください。フィルターは、強烈な光と熱が光学系に入る前に遮断できるよう、カメラレンズまたは望遠鏡の開口部の前面全体を覆う必要があります。

日食の前に、次の点を確認してください。

  • フィルターに傷、穴、破れ、縁の緩みなどの損傷がないか点検する。
  • 取り付け状態を確認し、風や不意の衝撃で外れないことを確かめる。
  • 望遠鏡に取り付けられた光学ファインダーは、覆うか取り外すか、安全なフィルターを装着する。
  • 普通のサングラス、NDフィルター、偏光フィルター、写真用フィルム、すすを付けたガラス、自作の代用品は使用しない。
  • フィルターを装着していない光学ファインダーをのぞかない。
  • 日食グラスを双眼鏡、望遠鏡、カメラレンズの接眼側に置かない。集光された太陽光によって、日食グラスと目の両方が損傷するおそれがあります。
  • 設定の変更やトラブルへの対応中に機材を覆えるよう、レンズキャップを手元に置いておく。

太陽フィルターを外せるのは、月が太陽の明るい表面を完全に覆う皆既食中に限られます。フィルターなしで安全に撮影できるこの時間帯があるのは、皆既帯の内側だけです。

フィルターは、皆既食が確実に始まってから外してください。太陽の光が最初に戻る前に、必ず再装着してください。

皆既帯の外側では、太陽の99%が隠れても部分食のままです。日食の最初から最後までフィルターを装着してください。 金環日食にも、フィルターを安全に外せる時間帯はありません。

カメラ用フィルターは機材を保護するものであり、目を保護するものではありません。部分食や金環食を肉眼で見るときは、必ず安全基準を満たした日食グラスを使用し、フィルターを装着していない光学ファインダーを決してのぞかないでください。

日食の各段階の撮影方法と最適なカメラ設定

月が太陽の前を横切るにつれて、最適な被写体は変わります。レンズ、構図、設定を何度も変更せずに済むよう、どの段階を重点的に撮影するか事前に決めておきましょう。

すべての太陽フィルター、カメラ、空の状態に対応できる単一の露出設定はありません。日食の前に通常の太陽で機材をテストし、以下の設定を出発点として調整してください。

太陽フィルター越しに撮影した日食
日食中の太陽をフィルター越しにクローズアップすると、月が明るい太陽円盤の一部を隠している様子が見えます。この写真は、Seestar S50オールインワン・スマート望遠鏡で撮影されました。

部分日食の撮影方法

部分日食では、月が太陽の一部だけを隠します。太陽の円盤は次第に細い形へと変化し(日食の深さによって異なります)、その後、通常の形に戻ります。

日食の全時間帯で太陽フィルターを装着してください。部分日食では、次のような写真を撮影できます。

  • 欠けた太陽のクローズアップ
  • 月のシルエットが黒点を横切る様子
  • 太陽の形の変化を示す連続写真
  • 部分食の全過程を収めたタイムラプス
  • 木漏れ日の中に現れる三日月形の投影像
  • 風景やランドマークの上に見える、フィルター越しの太陽

見えている太陽表面の明るさは、見かけの大きさほど大きく変化しません。そのため、テスト済みの露出設定を部分食の大半で使用できる場合があります。特にもやや雲の状態が変わったときは、ヒストグラムを時々確認してください。

金環日食の撮影方法

金環日食では、月が太陽よりわずかに小さく見えるため、食の最大時にも月の周囲に明るいリングが残ります。

金環食中も、露出した太陽表面は危険なほど明るいままです。日食の最初から最後まで太陽フィルターを装着してください。

金環日食の連続写真には、露出と撮影間隔を固定する方法が適しています。太陽の移動を考慮して構図に十分な余白を設け、リングが現れる前、最中、後のフレームを撮影してください。

部分食と金環食の日食撮影設定

太陽フィルターを装着したままにしてください。

まずは次の設定を試してみましょう。

  • 撮影モード: マニュアル
  • ISO感度: 100
  • 絞り: f/8~f/11
  • シャッタースピード: 約1/500~1/4000秒
  • フォーカス: マニュアル、または慎重に合わせて固定したオートフォーカス
  • ホワイトバランス: 太陽光、または固定した別の値
  • ファイル形式: RAW
  • ドライブモード: 1コマ撮影、インターバル撮影、または短い連写

フィルターの透過率、レンズの絞り、もや、太陽の高度はすべて露出に影響します。テスト撮影では、欠けていない太陽を撮影し、複数のシャッタースピードを試してください。

ヒストグラムと太陽表面を確認します。太陽の輪郭がはっきりし、黒点がある場合はそれも見える状態が理想です。太陽が滑らかで模様のない円盤に見える場合は、露出を下げてください。

色と明るさを連続写真全体でそろえるには、ホワイトバランスと露出を固定してください。自動設定では、フレームごとに太陽の色や明るさが変わることがあります。

皆既日食の撮影方法

部分食から皆既食までの日食の各段階
スマート望遠鏡で撮影した連続写真には、月が太陽の前を移動し、皆既食に近づき、その後再び部分食へ戻る様子が写っています。この写真は、Seestar S50オールインワン・スマート望遠鏡で撮影されました。

皆既日食には、撮影条件が大きく異なる2つの段階があります。

  1. 太陽フィルターを装着して撮影する部分食
  2. 太陽の明るい表面が完全に隠れてから、フィルターを外して撮影する皆既食

皆既食中には、次のような写真を撮影できます。

  • 太陽のコロナ
  • ピンク色や赤色のプロミネンス
  • 月の黒いシルエット
  • 暗くなった空と明るく輝く地平線
  • 太陽の近くに見える明るい惑星や恒星
  • 周囲にいる観測者の反応

皆既食の直前と直後には、月の縁にある谷間を通った太陽光がベイリービーズを作ることがあります。コロナのそばから最後または最初の太陽光が差し込むと、ダイヤモンドリングが現れます。

この移行は数秒しか続きません。直前に操作を考えるのではなく、練習済みのフィルター着脱手順、連写、露出ブラケットを使用してください。

皆既日食の撮影設定

皆既食中のコロナには、非常に大きな輝度差があります。明るい内側のコロナとプロミネンスには速いシャッタースピードが必要ですが、淡い外側のコロナには、はるかに長い露光時間が必要です。

皆既食が確実に始まり、フィルターを安全に外したら、次の設定を試してください。

  • ISO感度: 100~800
  • 絞り: f/5.6~f/11
  • シャッタースピード: 約1/1000秒~1秒以上
  • ファイル形式: RAW
  • ドライブモード: 高速連写または自動露出ブラケット

実用的な方法は、絞りとISO感度を固定し、シャッタースピードだけを順番に変えることです。短い露光ではプロミネンスと内側のコロナを保つことができます。長い露光では、太陽から遠くまで伸びるストリーマーが写りますが、内側は白飛びします。

撮影後に、位置を正確に合わせた露出ブラケットの連続写真を合成すれば、ダイナミックレンジの広いコロナ画像を作成できます。

カメラが連写データをメモリーカードに書き込む速さもテストしてください。書き込みの遅いカードやいっぱいになったバッファーが原因で、最も重要な瞬間に撮影が止まるおそれがあります。

ベイリービーズとダイヤモンドリングの設定

ベイリービーズとダイヤモンドリングは皆既食の始まりと終わりに現れ、数秒しか続かないことがあります。

事前に次の準備をしてください。

  • 高速連写モードを設定する。
  • カメラが対応している場合は、露出ブラケットを設定する。
  • シャッタースピードだけを変えればよいよう、絞りとISO感度を固定する。
  • フィルターをいつ、どのように外し、再装着するかを正確に把握する。
  • コロナを写せるよう、太陽の周囲に余白を設ける。

ベイリービーズはコロナよりはるかに明るいため、1つの露出設定ですべての特徴を写すことはできません。高速の露出ブラケットを使うと、明るい太陽光の粒と周囲の光の両方を撮影できる可能性が高まります。

周囲が暗くなったという理由だけで、フィルターを早く外さないでください。実際の接触時刻と練習済みの手順に従ってください。

広角で日食風景を撮影するための設定

風景写真には、明るさに関する2つの大きな課題があります。部分食中の太陽は非常に明るい一方、皆既食中の風景は大幅に暗くなります。

部分食中の太陽が直接画角に入る場合は、レンズ前面に取り付ける適切な太陽フィルターを使用してください。広角レンズ全体を覆える大きさのフィルターを使うと、画面全体が暗くなることがあります。そのため、フィルター越しに撮影した太陽のフレームと、太陽を画角に入れない広い風景写真を別々に撮影する方法もあります。

皆既食中は、次の点に注意してください。

  • 皆既食が始まったことを確認してからフィルターを外す。
  • コロナだけでなく、空と前景に合わせて露出を決める。
  • 露出ブラケットを使用する。
  • 明るい地平線を白飛びさせない。
  • シルエットを取り入れ、ダイナミックレンジの問題を軽減する。

1台のカメラで何度も撮影方法を切り替えるより、広い風景専用の2台目のカメラを用意した方が簡単な場合があります。

2026年8月12日の皆既日食の撮影

2026年8月12日の皆既日食の経路マップ(グリーンランド、アイスランド、スペイン)
2026年8月12日の皆既日食の経路を示した地図です。皆既帯は北極海、北極ロシア、グリーンランド、アイスランド、ポルトガル北東部のごく一部、スペイン北部、バレアレス諸島を通過します。地図上の数字は最大食時の太陽高度を示しています。

2026年8月12日の皆既日食は、ロシア北極圏、グリーンランド、アイスランド、ポルトガル北東部のごく一部、スペイン北部、バレアレス諸島を通過します。ヨーロッパの大部分、アフリカ北西部、北米の一部では部分日食が見られます。

皆既食が最も長く続く地点では、継続時間は約2分18秒です。ただし、人口の多い観測地の大半では、これより短くなります。

この日食は、皆既帯の場所によって条件が大きく異なるため、撮影者にとって特に興味深いものです。

アイスランド: 主な観測地域では、太陽が西の地平線から十分に高い位置にあるため、スペインよりも構図を決めやすく、追尾もしやすくなります。最大のリスクは雲です。

スペイン北部: 8月は比較的好天が期待できますが、日食中の太陽は西の地平線から数度の高さにしかありません。壮大な風景写真を撮影できる一方、丘、木、建物、もや、地平線近くの雲に皆既食を隠されるリスクがあります。

バレアレス諸島: 太陽は地平線すれすれの極めて低い位置に見えます。海の地平線があれば、印象的な「日没時の日食」を構図に取り入れられますが、障害物を避ける余裕はほとんどありません。

グリーンランド: 壮大な北極圏の風景とともに、より高い空で日食を撮影できます。ただし、交通、天候、電源、予備の観測地を確保するために、入念な準備が必要です。

皆既帯の外側: 日食の全時間帯で太陽フィルターを装着してください。太陽の99%が隠れる部分日食でもコロナは見えず、フィルターなしで安全に撮影することはできません。

詳しい2026年8月12日の皆既日食ガイドでは、観測地、可視マップ、各地での日食の状況、地平線からの太陽の高度を比較できます。

日食撮影に必要な機材

ほぼすべての最新カメラで、日食のいずれかの段階を撮影できます。適した機材は、太陽のクローズアップ、広い風景、連続写真、人々や周囲の雰囲気など、何を撮りたいかによって異なります。

iPhoneまたはAndroidスマートフォンで日食を撮影する方法

スマートフォンは、日食を含む広い風景や周囲の雰囲気の撮影に適しています。次のような場面を撮影してみましょう。

  • 日食グラスで観測する人々
  • 光の変化と地平線周辺の色彩
  • 建物、モニュメント、山、海岸線の上に見える日食中の太陽
  • 木の下にできる三日月形の影
  • 皆既食中の観衆と風景の動画
  • 広い風景の一部として日食を捉えた構図

部分食中の太陽円盤を直接撮影する場合は、スマートフォンのすべてのカメラレンズを適切な太陽フィルターで確実に覆ってください。光学望遠カメラや外付けレンズを使用する場合、長時間動画を撮影する場合は、特に重要です。

iPhoneやAndroidでより良い日食写真を撮るためのポイント:

  • フラッシュをオフにする。
  • カメラレンズをきれいにする。
  • 三脚、クランプ、または安定した支えを使う。
  • 光学ズームを使い、極端なデジタルズームは避ける。
  • カメラアプリが対応している場合は、画面を長押ししてフォーカスと露出を固定する。
  • フィルター越しの太陽が模様のない白い円ではなく、輪郭のはっきりした円になるまで露出を下げる。
  • 対応している場合は、RAW形式またはマニュアル操作が可能なカメラアプリを使う。
  • 通常のスマートフォン画面では太陽が小さく写るため、印象的な前景を取り入れる。
  • 発熱やストレージ容量が心配な場合は、1本の長い動画ではなく、短い動画を複数撮影する。

皆既食中は、皆既帯の内側にいて、太陽が完全に隠れたことを確認してからフィルターを外してください。スマートフォンでも暗い空、明るい地平線、内側のコロナを撮影できますが、マニュアル露出に対応していない場合は、コロナの全体構造を再現するのが難しいことがあります。

望遠レンズを装着したデジタル一眼レフまたはミラーレスカメラ

太陽の円盤をはっきりと写すには、フルサイズ換算で約200mm以上のレンズを使いましょう。太陽はまだ比較的小さく写りますが、欠けた形を明確に捉えられます。

日食のクローズアップ撮影には、400~600mmのレンズが実用的です。太陽を大きく写しながら、追尾のずれに対応する余白や、皆既食中に内側のコロナを収める空間も確保できます。

風景も構図に入れたい場合は、より短いレンズを使用してください。

  • 14~35mm: 広い風景、観衆、空、地平線
  • 50~135mm: ランドマークや周囲の環境を生かした構図
  • 200~600mm: 大きな太陽円盤と日食の細部
  • さらに長い焦点距離: 細部を写せる一方、追尾が難しくなり、コロナが画面から切れるリスクも高くなる

カメラで撮影する場合は、次のものを用意してください。

  • 頑丈な三脚
  • リモートレリーズ、インターバルタイマー、または短いセルフタイマー
  • レンズ前面に確実に取り付けた太陽フィルター
  • ライブビューまたは電子ビューファインダー
  • マニュアル露出機能
  • マニュアルフォーカスまたは固定したオートフォーカス
  • 太陽の移動とコロナを収められる十分な画面の余白
  • 広い風景や人々の反応も撮りたい場合は、2台目のカメラまたはスマートフォン

日食当日までに、太陽が画面内に十分な余裕を持って収まることと、カメラを動かさずにフィルターを着脱できることを確認してください。

スマート望遠鏡

スマート望遠鏡を使うと、日食撮影が簡単になります。 太陽の導入、中央への配置、追尾、ピント合わせ、スマートフォンアプリによるタイムラプス撮影など、難しい作業の一部を自動化できるためです。

固定カメラでは何度も構図を調整しなければならない長い部分食の撮影で、特に役立ちます。

太陽フィルターを取り付けたSeestar S30 Pro
光学系の前面に磁気式太陽フィルターを取り付ければ、Seestar S30 Proスマート望遠鏡で日食を簡単に観測・撮影できます。

Seestar S30 Pro米国ストアEUストアグローバルストア)のようなモデルは、アプリ操作、自動導入・追尾、オートフォーカス、露出調整、写真/動画モード、タイムラプス撮影に対応しています。必ずその望遠鏡専用の太陽フィルターを使用し、太陽の撮影を始める前に取り付けてください。

日食写真の撮影計画を立てる方法

Sky TonightのARモードを使った日食写真の撮影計画
Sky Tonightの拡張現実ビューを使って、実際の地平線上に見える太陽の位置をプレビューし、日食写真の構図を計画します。

どれほど完璧にカメラを準備しても、主要な段階で太陽が建物や丘に隠れてしまえば意味がありません。

Sky Tonightを使い、正確な現在地での日食を確認してください。

  • カレンダーを開く。
  • 日食のイベントを見つける。
  • 現在地で皆既日食、金環日食、部分日食のどれが見られるか確認する。
  • 現地時刻での開始時刻と終了時刻を記録する。
  • 太陽の高度と方角を確認する。
  • タイムマシンを使って日食の日付と時刻に移動する。
  • ARモードを開き、スマートフォンを実際の地平線へ向ける。
  • 日食が始まる前に通知を設定する。

日食当日までに、日食とほぼ同じ時間帯に現地を訪れてください。木、屋根、尾根、街灯、フェンスなどの障害物を確認します。その場所へ合法的に立ち入れることと、道路や通路をふさがずに三脚を安全に設置できることも確かめてください。

2026年8月12日にスペインとバレアレス諸島で起こる日食では、西の地平線が完全に開けていることが観測地選びの最重要条件です。

Seestar S30 Proで日食を撮影する方法

スマート望遠鏡を使うと操作は簡単になりますが、練習が不要になるわけではありません。日食当日までに、晴れた日に一連の手順を最初から最後まで試してください。

ソフトウェアのアップデートによってアプリ内の表示名が変わる可能性があります。日食の直前に、最新のSeestarアプリの画面とメーカーの説明書を確認してください。

1. 観測場所を選んで準備する

撮影中に太陽が隠れない、硬く水平な地面へ望遠鏡を設置してください。追尾、露出、ストレージ、バッテリー残量、アプリとの接続、フィルターの取り付けをテストできるよう、早めに準備を始めましょう。

2026年8月12日にスペインで起こる日食では、西の地平線を入念に確認してください。正午には開けているように見える場所でも、低い太陽がバルコニーの縁、木、尾根、遠くの建物に隠れる可能性があります。

2. 望遠鏡を接続して水平を調整する

Seestarをスマートフォンまたはタブレットに接続し、Me → Advanced Features → Level & Compass Calibration → Adjust Levelの順に開きます。

水平調整画面の2つの円が重なるまで、三脚の脚を調整してください。

水平を正確に調整すると、望遠鏡が太陽を導入・追尾しやすくなります。コンパスの較正は通常、アプリに求められたとき、または自動位置決めが不正確なときにだけ必要です。較正するときは、可能であれば車両、大型の金属構造物、磁石、鉄筋コンクリートから離れてください。

太陽を正確に追尾するためのSeestarアプリの水平調整
Seestarアプリの水平調整画面には2つの円が表示されます。日食撮影を始める前に、三脚の脚を調整して、この2つの円を重ねる必要があります。

3. 専用の太陽フィルターを取り付ける

太陽系モードに切り替えて太陽を選択します。光学鏡筒をフィルターの取り付けやすい位置へ動かす画面の案内に従い、専用の太陽フィルターを確実に取り付けてください。

操作を続ける前にフィルターを点検し、正しい位置に完全に装着されていることを確認してください。フィルターを装着せずに、太陽の導入や撮影を始めないでください。

4. 太陽を導入し、中央に配置してピントを合わせる

画面に表示されているGoToボタンまたは太陽導入ボタンをタップします。望遠鏡が太陽を見つけたら、次の操作を行ってください。

  • 太陽円盤全体が見えていることを確認する。
  • 必要に応じて、手動で位置を微調整する。
  • Center Targetをオンにする。
  • 太陽の縁または見えている黒点の近くをタップする。
  • AFを実行し、太陽の縁を確認する。

追尾が始まると、撮影モードや露出設定を変更している間も、望遠鏡が太陽を画面内に保ちます。

5. 自動露出またはマニュアル露出を選ぶ

Adjustを開き、自動露出またはマニュアル露出を選択します。

Autoモードはより簡単です。明るさの変化に対応するため、頻繁に調整する必要がありません。

Manualモードでは、露光時間とゲインが固定され、部分食の各フレームで明るさをそろえやすくなります。ただし、1つのマニュアル設定だけでは皆既食前後の劇的な明るさの変化に対応できません。日食の進行に合わせてプレビューを確認し、設定を調整する必要があります。

フィルターを装着した部分食では、次の状態を目指してください。

  • 太陽の縁がくっきりしている。
  • 黒点がある場合は見えている。
  • 大きく白飛びした部分がない。
  • 背景が暗い。
  • フレームごとの明るさがそろっている。

6. 写真、動画、タイムラプスを撮影する

Seestarには、PhotoVideoTime-lapseモードがあります。

日食の全過程を記録する最も簡単な方法は、タイムラプスです。メーカーの日食撮影手順では、実用的な初期設定として2秒間隔が推奨されています。完成する動画の長さは、次の式で見積もれます。

完成動画の長さ=撮影したフレーム数÷書き出し時のフレームレート

83分間撮影する場合:

  • 1秒間隔では約4,980フレーム
  • 2秒間隔では約2,490フレーム
  • 5秒間隔では約996フレーム

30fpsで書き出すと、完成動画の長さはそれぞれ次のようになります。

  • 約2分46秒
  • 約1分23秒
  • 約33秒

1~2秒間隔では滑らかな映像になりますが、より多くのストレージ容量を使用します。3~5秒間隔ではファイルが小さくなりますが、皆既食前後の急速な変化が不自然に見えることがあります。

タイムラプスの撮影中に重要な1コマを保存したい場合は、利用可能であればスナップショットボタンまたは共有ボタンを使用してください。

7. 皆既食に慎重に対応する

皆既帯の内側にいる場合は、日食の前に、フィルターを外してコロナの撮影を試みるかどうか決めておきましょう。フィルターを装着したままでは皆既食中の画像が非常に暗くなり、淡い外側のコロナをうまく写せません。ただし、フィルターの着脱には危険が伴うため、事前の練習が不可欠です。

太陽の明るい表面が完全に隠れてから、太陽フィルターを外してください。皆既食が終わる前、太陽の直射光が戻る前に再装着します。皆既食中も露出を確認してください。Autoモードでは被写体を見える状態に保ちやすく、Manualモードでは細かく調整できますが、操作を続ける必要があります。

フィルターの着脱手順に十分な自信がない場合は、フィルターを装着したままにして、部分食を安全に記録することに集中してください。

8. 安全に撮影を終了する

日食の後は、次の手順で撮影を終了してください。

  • 撮影を停止する。
  • ファイルが保存されていることを確認する。
  • 望遠鏡を太陽からそらす。
  • 光学系が太陽を向いていないことを確認してから、太陽フィルターを外す。
  • ファイルを書き出すか、バックアップする。
  • 電源を切り、機材を片付ける。

日食撮影当日の準備:チェックリスト

安全用品

持ち物:

  • 保護ケースに入れた適切な太陽フィルター
  • 肉眼観測用の安全基準を満たした日食グラス
  • レンズキャップ
  • レンズクロスとブロアー

荷造りの前に、太陽フィルターをもう一度点検してください。傷、穴、縁の緩み、取り付け部分の損傷がないか確認します。

撮影機材

持ち物:

  • カメラ、スマートフォン、レンズ、またはスマート望遠鏡
  • 頑丈な三脚
  • リモートシャッターまたはインターバルタイマー
  • フォーカスリング、ズームリング、ケーブルを固定するための弱粘着テープ
  • 日没時の日食後に片付けるための小型ライト

出発前に、すべてのカメラ、レンズ、アダプター、ケーブル、三脚プレートに互換性があることを確認してください。

電源とストレージ

準備するもの:

  • フル充電したバッテリーと予備のバッテリー
  • モバイルバッテリーまたは外部電源
  • 空のメモリーカードまたは十分な内蔵ストレージ容量
  • 長時間のタイムラプスを撮影する場合は、バックアップ用ストレージ

メモリーカードの書き込み速度をテストし、日食の全過程を記録するために必要な容量を計算してください。

カメラの設定

日食当日までに、次の準備をしてください。

  • フラッシュをオフにする。
  • 不要な自動機能を無効にする。
  • 画像確認が連写を中断する場合は、表示時間を短くするか無効にする。
  • カメラの時刻を合わせる。
  • 三脚使用時に手ブレ補正をオンにするかオフにするか決める。
  • カメラがカスタムモードに対応している場合は、部分食用と皆既食用の設定を事前に保存する。

室内ではなく、実際の太陽光の下で機材一式をテストしてください。

個人用の必需品

持ち物:

  • 水と食べ物
  • 日焼け止め、帽子、適切な服装
  • 必要に応じて雨具や防寒着
  • 長い部分食の観測に必要な椅子やシェルター

不可欠な場合を除き、日食の直前にアプリ、ファームウェア、OS、カメラの大規模なアップデートを行わないでください。メニューの変更や予期しない不具合によって、練習した手順どおりに操作できなくなるおそれがあります。

日食撮影に関するよくある質問

日食を安全に撮影するにはどうすればよいですか?

カメラレンズまたは望遠鏡の開口部の前面へ太陽フィルターを確実に取り付け、背面モニターまたは電子ビューファインダーを使い、日食の前にフィルターの着脱手順を練習してください。フィルターを装着していない拡大光学機器を、見えている太陽へ向けないでください。

iPhoneで日食を撮影できますか?

はい。iPhoneは、広い風景、人々、光の変化、三日月形の影、皆既食中の動画の撮影に適しています。部分食中の太陽円盤を直接撮影する場合は、使用中のカメラレンズを適切な太陽フィルターで確実に覆ってください。

日食でスマートフォンのカメラが損傷することはありますか?

太陽光を長時間直接当てると、スマートフォンのカメラセンサーが損傷する可能性があります。光学ズームや外付けレンズによって光が集中する場合は、特に危険です。太陽を直接撮影するときは、適切な太陽フィルターを使用してください。

日食撮影に太陽フィルターは必要ですか?

はい。部分食の全時間帯と金環日食の全時間帯で、適切な太陽フィルターが必要です。フィルターを外せるのは、太陽が完全に隠れる皆既食中だけです。

日食グラスをカメラ用フィルターとして使えますか?

日食グラスは肉眼で直接観測するためのもので、一般的なカメラ用または望遠鏡用フィルターではありません。光学機器向けに作られ、確実に取り付けられる太陽フィルターを使用してください。

太陽フィルターはどこに取り付けますか?

カメラレンズ、望遠鏡、双眼鏡の開口部の前面に取り付けます。集光された太陽光と熱でフィルターが損傷するおそれがあるため、拡大光学系の後ろには取り付けないでください。

日食撮影に最適なレンズはどれですか?

200mmのレンズなら、太陽の円盤をはっきりと写せます。400~600mmのレンズなら、扱いやすさを保ちながら、太陽をより大きく、細部まで撮影できます。風景、ランドマーク、人々を撮影する場合は、より短いレンズが適しています。

日食撮影に最適な設定は何ですか?

フィルターを装着した部分食では、ISO 100、f/8~f/11、約1/500~1/4000秒から試してください。皆既食中は、太陽が完全に隠れてからフィルターを外し、約1/1000秒から1秒以上まで幅広いシャッタースピードで露出ブラケット撮影を行ってください。

皆既日食を撮影するにはどうすればよいですか?

部分食は太陽フィルター越しに撮影します。皆既食中はフィルターを外し、RAW形式を使用し、絞りとISO感度を固定して、幅広いシャッタースピードで露出ブラケット撮影を行います。これにより、プロミネンスとコロナのさまざまな部分を捉えられます。太陽の直射光が戻る前に、フィルターを再装着してください。

金環日食中に太陽フィルターを外せますか?

いいえ。金環食中も太陽の明るいリングが見えているため、日食の最初から最後までフィルターを装着してください。

太陽フィルターなしで部分日食を撮影できますか?

いいえ。わずかに見えている細い太陽でも、目や光学機器を損傷するほど明るいため、部分食の全時間帯でフィルターを装着してください。

Seestar S30 Proは日食撮影に適していますか?

Seestar S30 Proは、アプリを使って太陽の導入、中央への配置、追尾、ピント合わせ、撮影を行える便利な選択肢です。写真、動画、タイムラプスの各モードは、長い部分食の撮影に特に役立ちます。必ず専用の太陽フィルターを使用してください。

日食の撮影方法:まとめ

日食撮影を成功させるための最も重要なルールは、明るい太陽が少しでも見えている間は、光学機器の前面に適切な太陽フィルターを確実に取り付けておくことです。

スマートフォンは、風景、人々、日食中の雰囲気を撮影するのに適しています。太陽の円盤を細部まで撮影するなら、200~600mmの望遠レンズを装着したカメラが適しています。Seestar S30 Pro米国ストアEUストアグローバルストア)のようなスマート望遠鏡を使えば、太陽の導入、中央への配置、追尾、ピント合わせ、タイムラプス撮影が簡単になります。

日食の前に、通常の太陽でフィルターと露出をテストしてください。マニュアルでピントを合わせ、RAW形式で撮影し、皆既食中は幅広い露出でブラケット撮影を行いましょう。コロナを収めるための余白を設け、予備の電源とストレージも用意してください。何よりも大切なのは、日食当日までにすべての手順を練習しておくことです。

2026年8月12日の皆既日食では、スペインの大部分とバレアレス諸島で、太陽が西の地平線近くの非常に低い位置に見えるため、観測地の選定が特に重要です。

Sky Tonightを使って現在地での日食の詳しい状況を確認し、タイムマシンとARモードで太陽の軌道をプレビューして、日食が始まる前に見通しのよい観測地を見つけてください。

日食撮影の計画を事前に立てよう

日食は年に数回しか起こらず、見られる地域も限られています。今後の日食を紹介するインフォグラフィックで、次の日食が見られる場所を正確に把握し、旅行の計画を立てましょう。

テキストクレジット:
Trustpilot